入れ歯で食事を楽しむための調理の工夫 blog
2021.06.14
こんにちは。蒲田の歯医者、歯科助手・管理栄養士の伊藤です。
今回は入れ歯をご使用している方に向けた、いろいろな食事を楽しむための調理のポイントを紹介します。
ご自身で当てはまる方はもちろん、周りの方、ご家族の方で、入れ歯になったことで、固い食べ物や繊維質の食べ物が食べづらくなったという方はいませんか?
入れ歯が合わない場合はクリニックにお越し頂いて調整が必要ですが、入れ歯だと本来の歯と比べて食事がしづらいというのはいくら調整してもあるかと思います。
食事が食べやすい柔らかいものに偏ると、ご飯やパン、麺類など炭水化物メインの食事になってしまう傾向があり、食べにくいお肉や野菜を避けることで、タンパク質やビタミン不足となり、低栄養状態になる場合があります。
長く健康でいるためにも、食事を楽しむためにも、お肉や野菜も工夫をして摂取していきましょう。
●お肉
・厚いお肉…繊維を断ちきるように包丁を入れて柔らかくする。
☆ポイント☆脂身と赤身の境目の筋を断ち切る。
・薄切りのお肉…何枚も重ねてミルフィーユのようにする。くるくると巻いてロール状にする。
カレーなど煮込み料理での角切りのお肉が噛み切れない場合は、薄切りのお肉をロール状にしたものを使うのがおすすめです。
カツなどの厚いお肉は、薄切りのお肉を重ねてミルフィーユのようにしたり、ひき肉を使って塊にしたりするのもおすすめです。
●野菜
・葉物野菜…茹でて、くるくると巻いてロール状にする。
・ごぼうなど繊維質な野菜…麺棒などで叩いて繊維を壊す。
・根菜類…しっかりと茹でることや煮込むようにする。
・トマト…皮が食べにくいので湯むきする。
※野菜は細かく刻んだり薄くしすぎたりすると、お口のなかでまとまりにくく、かえって食べにくくなるので注意しましょう。
●ごま…つぶつぶしていて入れ歯に挟まりやすいので、代わりにすりごまや練りごまを使いましょう。
●その他ポイント
・とろみをつける…野菜は煮込んで汁にとろみをつけて、あんかけのようにすると食べやすくなります(*^^*)
・一気にお口に入れない…一度に沢山入れるとさらに噛みづらくなってしまいます。一口ずつしっかり噛んで食べましょう。
・温度が熱くなりすぎないように…通常の保険の入れ歯だと温度を感じにくいです。熱くしすぎてやけどしないように注意しましょう。
・ある程度の固さのものも食べる…食事全てがあまり噛まなくてもよい柔らかい食事になると更に噛む力が衰え、より食べられるものが狭められてしまいます。固いおせんべいやフランスパンなどは避けても、固すぎない食材であればよく噛んで食べるようにしましょう。唾液の分泌にもつながりますね。
食べづらかったり、噛みにくかったりすると、せっかくの食事も楽しめなくなりますよね。
工夫しながら美味しい食事を楽しみましょう。