恋人とのキスで歯周病は感染する? blog

2018.04.27

歯周病は、歯周病菌による感染症です。歯周病菌は、歯に付着するだけでなく、唾液の中にも含まれていますので、恋人とのキスで歯周病が感染する事もありえます。もちろん夫婦や家族でも同じです。
恋人同士や家族間で、歯周病の感染を防ぐためにはどのようにしたら良いのでしょうか。詳しく解説していきたいと思います。

キスで歯周病に感染するのか

冒頭でも触れたように、キスで歯周病が感染する可能性はあります。
ただし、キスで感染するのは、唾液の中に含まれている「歯周病菌」です。「歯周病」そのものがうつるわけではありません。
歯周病菌が感染したからといって、必ずしも歯周病を発症するとは限りませんが、発症するリスクは高くなります。
実際、パートナーと揃って歯科医院を受診した方のお口の中を拝見すると、同じような歯周病の状態になっているという事は、よくあります。

キスだけでなく、唾液を交える行為は、歯周病菌が感染するリスクがあります。キスなどのスキンシップだけでなく、食器の共用なども感染の原因になります。

歯周病菌の感染を防ぐためのポイント

キスなどのスキンシップを避ける事で、歯周病菌の感染を防ぐ事ができますが、恋人同士であれば、スキンシップは当たり前の事なので、完全に防ぐ事は現実的に難しいでしょう。食器の共用をしない、というのも無理があります。
ですから、唾液を交える行為を避けるのでは無く、歯周病菌が感染しても、歯周病を発症しないお口の環境を作る事が大切です。
歯周病の感染を防ぐためのポイントをまとめると次のようになります。

毎日の丁寧な歯みがき

毎日の丁寧な歯みがきは、歯周病予防の基本となります。仮に、歯周病菌がお口の中に感染したとしても、歯面に付着したままにならなければ悪さはしません。特に、歯と歯ぐきの境目部分に歯周病菌が付着しやすいので、丁寧に歯みがきをするようにしましょう。
歯と歯の間部分は、歯間ブラシやデンタルフロスを使用するようにしましょう。

歯科医院の定期検診を受ける

歯科医院の定期検診を受け、歯周病の早期発見に努めましょう。歯周病は、初期の段階では、痛み等の自覚症状がほとんどありません。自分では気がつかないまま進行していくのです。
歯周病の進行により、溶けてしまった歯槽骨は、元の状態には戻りません。歯周病が進行する前に、初期の状態で気がつく事で、早めに治療を開始し、歯周病が進行するのを予防する事ができます。

定期的に歯石除去/クリーニングを受ける

歯に付着した細菌の集まりである「歯垢」は、時間が経つと石灰化して硬い「歯石」になります。歯石は、歯に強固に付着するので、歯みがきでは除去する事ができません。放置しておくと歯周病菌が繁殖しやすくなるので、定期的に歯石除去を受ける必要があります。
また、毎日の歯みがきだけで除去しきれない汚れは、定期的に歯科医院でPMTC等、クリーニングを受けるようにすると良いでしょう。

歯周病の治療を行う

歯周病に罹患している事がわかっている場合は、早めに治療を開始するようにし、歯周病の治療に努めましょう。歯周病が進行しない状態になるまできちんと治療を行う事で、お口の中の歯周病菌は減少し、パートナーに歯周病菌が感染するリスクを減らします。
それから、自分が歯周病に罹患している場合には、パートナーも罹患している可能性が高くなります。歯周病に罹患している事がわかったら、できるだけ早めにパートナーにも受診をするように勧めましょう。

スキンシップは無理に控える必要は無い

歯周病菌の感染に神経質になりすぎる必要はありません。恋人とのスキンシップを過度に控える事は、恋人との関係も悪化しかねません。
それよりも、一緒に歯科医院の定期検診に行くなど、自分と相手のお口の健康を守るために、お互いに歯周病予防の意識を高められると良いですね。

虫歯も感染するのか?

歯周病と並び、お口の中の二大疾患である「虫歯」も、恋人とのキスで感染する可能性あります。正確には、唾液の中に含まれている「虫歯菌」が感染し、虫歯になるリスクが高くなるのです。
「歯周病菌の感染を防ぐためのポイント」は、虫歯菌の感染を防ぐ事にもなりますので、合わせて虫歯の予防も行っていくのが良いですね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。恋人とのキスで「歯周病菌」が感染する可能性があり、それにより「歯周病」を発症するリスクが高くなる、という事がお分かりいただけましたでしょうか。
最後に、歯周病菌の感染を防ぐためのポイントをまとめて紹介したいと思います。

<歯周病菌の感染を防ぐためのポイント>

  • 毎日の丁寧な歯みがき
  • 歯科医院の定期検診を受ける
  • 定期的に歯石除去/クリーニングを受ける
  • 歯周病の治療を行う
  • スキンシップは無理に控える必要は無い

このように、歯周病菌の感染を防ぐため、歯周病菌が感染しても歯周病を発症しないお口の環境を作る事は、自分のお口の中を守るだけで無く、大切な人に歯周病菌をうつさないための行為でもあります。お互いに自分と相手の歯の健康を守っていきましょう!