オーラルフレイルってなに?オーラルフレイルの基本を徹底解説! blog
2024.12.16
「オーラルフレイル」という言葉を聞いたことがありますか?
あまり馴染みのない言葉かもしれませんが、近年は高齢者の健康や介護の指導、予防などで聞くことも多くなりました。
今回はオーラルフレイルとはどのようなことを指すのか、症状や予防法などオーラルフレイルの基本について解説します。
ご家族のため、自分のためにもオーラルフレイルについて知っておきましょう。
オーラルフレイルとは?
オーラルフレイルとは「オーラル」と「フレイル」からなる造語です。
直訳すると「口腔」の「虚弱」という意味で、簡単に言えば「口周りの機能が低下したこと」で、老化の始まりのサインとして注目されるようになりました。
健康と要介護の中間には、加齢により心身が老いて衰えてきた状態の「フレイル」という段階があります。
フレイルから健康な状態に戻せるかどうかで将来の要介護状態を防ぎ、健康で自立した生活が送れるかどうか決まってきます。
フレイルとオーラルフレイルは大きな関係があり、フレイルを予防するには身体の機能を維持する必要があります。そのためには、しっかりと噛んで栄養をとることが大切です。
オーラルフレイルはフレイルの前段階(プレフレイル)に症状が表れます。歯や口には「口腔機能(こうくうきのう)」と呼ばれる本来持っている沢山の役割があります。
その中には食べること、話すこと、感情表現、呼吸などが含まれ、オーラルフレイルはこのような機能の些細な衰えから始まります。
始めは些細な症状のため、衰えを見逃しやすく、気が付かないことも多いものです。
しかし、この些細な衰えを自分のこととして意識し、予防や改善に取り組むことで口腔機能の維持や回復に繋がります。
オーラルフレイルの症状とチェック方法
オーラルフレイルの症状とチェックの方法を知っておきましょう。
こまめにチェックすることで早めに気付くことができ、その後の予防や改善に役立ちます。
オーラルフレイルは下記のような症状がみられることがあります。
・話がしにくい
・飲み込みにくい
・むせやすい
・食べこぼしが多い
・硬いものが噛めない
・口が渇きやすい
・噛むと痛みや不快感がある
・滑舌が悪い
このような症状が少しでもみられるときは、早期に対処することでオーラルフレイルの予防に繋がります。
オーラルフレイルのチェックリストがありますので、自分が今どのような状態なのかチェックしてみましょう。
出所:公益社団法人日本歯科医師会リーフレット「オーラルフレイル」
オーラルフレイルの危険性が低いからといって大丈夫なわけではありません。危険性が低い方はそれ以上危険性が高くならないように予防していきましょう。
危険性が高い方は、早急に歯科医院を受診してオーラルフレイルについて相談してみましょう。
オーラルフレイルの予防法
オーラルフレイルにならないように自分でできる予防法を知っておきましょう。
歯と口をきれいにしておく
オーラルフレイルの原因の一つは口中の疾患です。
口の中が清潔に保たれていないと細菌が増え、むし歯や歯周病などで歯を失ってしまい食事や会話に支障がでてきます。
また、むし歯や歯周病だけではなく、高齢者の発症率が高い「誤嚥性肺炎」(唾液や食べ物が器官に入ることでおこる肺炎)にも関わってきます。
歯みがきは歯ブラシだけではなく、フロスや歯間ブラシなども併用し歯垢をしっかり取り除き、細菌を増やさないよう心がけましょう
口をよく動かす
口腔機能は、口の周りの筋肉も大きく関わっています。
硬めのものでも問題なく噛めるように、普段から口の周りの筋肉を鍛える意識をもっておきましょう。
歌ったり、会話をしたり、本や新聞を声に出して読む、食事のときはよく噛むなど、日常の中で口を意識して動かすような習慣をつけることで口の周りの筋肉が自然に鍛えられます。
また、「あいうべ体操」や「パタカラ体操」、舌回しなどの口腔機能トレーニングを行うことも効果的です。
口の中を乾燥させないようにする
加齢に伴い唾液が減ってくるため、口の中が乾燥しやすくなります。
口の中が乾燥してくると細菌が増え、むし歯や歯周病になるリスクが高くなります。
また、それだけではなく食事が飲み込みにくくなり、誤嚥の原因になる可能性もあります。
唾液の分泌を促す箇所(耳の周りやあごの下など)をマッサージしたり、保湿剤を利用して口の中の潤いを保ちましょう。
歯科検診に通う
口の中の状態は自分では中々わからないものです。定期的に歯科検診に通い、歯のクリーニングや歯みがきの指導などを受けましょう。
定期的な歯科検診は、自分では取り切れない歯の汚れをきれいにしたり、むし歯や歯周病の早期発見や治療ができるので歯の健康寿命を伸ばすことにつながります。
まとめ
いかがでしたか。
今回はオーラルフレイルの基本的なことについて解説しました。
口周りの機能の低下は身体の機能に繋がる可能性があるため、早めの予防が大切です。
「まだ自分はそういう年齢ではないから」と思う方もいらっしゃると思いますが、予防するのに早すぎるなんてことはありません。
心身共に健康で長生きできるよう、年齢に関係なくオーラルフレイルの予防に取り組んでいきましょう。