子どもの歯が抜ける前に後ろから永久歯が生えてきた…放置で大丈夫?原因と対処法をわかりやすく解説 blog

2025.11.20

子どもの歯の生え変わりは、保護者の方にとって大きな関心事のひとつです。
特に、乳歯がまだ抜けていないのに、そのすぐ後ろから永久歯が生えてくる「二重歯列」の状態は、見た目にもわかりやすく、驚いてしまう方が多いものです。
「このままにしていて大丈夫?」
「歯並びは悪くならないの?」
「抜いた方がいい?」
こうした疑問はごく自然なことです。
この記事では、

・なぜ乳歯が抜ける前に永久歯が生えてくるのか
・放置してよい場合とそうでない場合の見極め
・自宅でできる観察とケア
・歯科受診のタイミング
・将来の歯並びへの影響

について丁寧に解説しますので、お子さんの歯の状態で不安を感じたときの判断材料として参考にしてください。

1. 子どもの歯が生え変わる仕組み

子どもの口の中は、成長の途中で乳歯と永久歯が重なって存在しています。
永久歯は乳歯の下(または内側)でゆっくりと成長し、乳歯の根を少しずつ溶かすことで、乳歯が自然に抜けていきます。

通常の流れ

歯の状態 口の中で起きていること
永久歯が成長を開始 乳歯の根が少しずつ短くなる
乳歯がぐらぐらしてくる 永久歯が押し上げる
乳歯が抜ける 永久歯が本来の位置に移動して並ぶ

しかし、この流れがうまく進まない場合があります。
その結果、乳歯が残ったまま永久歯が別の位置から生えてくることがあるのです。

2. 永久歯が乳歯の後ろから生えてくる主な原因

(1)乳歯の根がうまく溶けなかった

乳歯が抜けるためには、根が自然に吸収されて短くなる必要があります。
しかし、生え変わりのタイミングや成長には個人差があるため、 根が十分に溶けていないまま永久歯が生えてくることがあります。

(2)顎のスペースが足りない

永久歯は乳歯よりも大きいため、顎が小さいと並ぶスペースがなく後ろにずれて生えてしまうことがあります。

(3)舌や口の癖の影響

飲み込みの癖や舌の位置が低い場合、歯が前に押されずに内側に生えやすくなることもあります。

(4)遺伝的な影響

保護者の方も同じ状態だったというケースも少なくありません。

3. 放置してもよい?自然に治るケースと受診が必要なケース

重要なのは、「乳歯がぐらぐらしているかどうか」です。

自然に治る可能性があるケース

・乳歯が明らかに動いている
・永久歯がまだ半分ほどしか生えていない
・生えてくる場所に余裕がある

→乳歯が抜けると、舌の力や噛む力で永久歯が前に移動しやすく、自然と整うことがよくあります。

歯科受診をおすすめするケース

・乳歯がまったくぐらついていない
・永久歯がほとんど生えきってしまっている
・歯が二列に重なった状態が数週間変わらない
・歯みがきがうまくできず、むし歯が心配

→この場合、歯科では乳歯を抜くことで永久歯が前に移動しやすくなるようにすることがあります。
※ただし、実際に抜くかどうかのタイミングは診察のうえで判断されます。

4. 家庭でできる観察ポイント

観察ポイント 見るポイント
乳歯の動き 指や舌で軽く触れてぐらぐらするか
永久歯の位置 前に動けるスペースがあるか
歯ブラシ時の状態 重なって磨けないところがないか
生え変わりの左右差 片側だけ極端に遅れていないか

硬いものを噛む習慣も役立つことがあります。

・りんご
・せんべい
・とうもろこし など
※ただし、痛みがある場合は無理をしないようにしてください。

5. 歯科医院で行われる一般的な診察の流れ

内容 目的
お口の中の確認 乳歯のぐらつき・永久歯の生える方向など
必要に応じてレントゲン 永久歯の位置や根の状態を見る
方針の相談 経過観察か、乳歯の抜歯を検討するかなど

診察では、すぐに処置が必要か、様子を見て良いかがわかります。
気になる場合は、定期検診の際に相談するのも良い方法です。

6. 将来的な歯並びへの影響は?矯正が必要になることはある?

二重歯列になったからといって、必ず矯正が必要というわけではありません。
多くの場合、成長とともに歯列が動き、問題なく整うケースもあります。
ただし、
・顎が小さい
・歯が大きい
・噛み合わせにずれがある

などの場合は、成長に合わせて矯正治療を検討することがあります。
早期から経過を観察することで、必要に応じた対応が取りやすくなります。

7. まとめ|迷ったら歯科医院に気軽に相談を

状態 対応の目安
乳歯がぐらぐらしている 自然に抜ける可能性が高い
乳歯が動かない & 永久歯がだいぶ生えてきた 歯科受診がおすすめ
歯みがきがしづらい・むし歯が心配 早めの相談で安心

子どもの口の成長は一人ひとり異なります。
同じように見える状態でも、「放置でよいケース」と「診察した方がよいケース」があるため、迷った時は気軽に歯科医院に相談してみてください。