口腔外科と一般歯科の違いとは? blog

2022.08.24

歯科医院の診療科目は主に、一般歯科・小児歯科・矯正歯科・口腔外科の4つがあげられます。
小児歯科は、子どもの歯を診察する科、矯正歯科は、歯の矯正を行う科、といったことが名称から分かります。それでは、口腔外科とはどんな治療をするのかご存知でしょうか?
また、一般歯科と口腔外科の違いとはどんなものがあるのでしょう?
受診の際にどちらの科を選んだらよいのかなどの疑問を解消します。

一般歯科と口腔外科の違いとはどんなものがあるのでしょう?

一般歯科でできること

一般歯科では、虫歯の治療や予防処置などを行います。
治療のほとんどが、保険診療となります。虫歯の治療に伴う被せ物や入れ歯の製作や装着も診療の範囲となっています。虫歯の治療だけでなく、歯の健康を保つための定期的な歯科検診や、歯科衛生士から最適な歯磨き方法の指導といった予防歯科も大切な役割のひとつです。

口腔外科でできること

口腔外科では、顎や口の中、口の周りなどの怪我や疾患の診療がメインとなります。
顎や口の中、口の周りなどに起こる疾患には、その要因が歯からきているものも多くあります。
スポーツ中の事故や交通事故などによる口周辺の怪我などの外科的な処置に加え、顎や唾液に関連する疾患、口臭や口周辺の癌といった病気の治療も口腔外科で行います。
口は日常の中でも非常に重要な役割を持った器官です。口腔周辺に機能障害があると、食事や会話といった普段の生活に支障をきたします。また、洋服で隠したりしづらい部位なので、見た目の印象という観点からも重要なパーツです。
そのため、怪我や疾患からできるだけの機能回復をサポートするというのも口腔外科の重要な役割です。

口腔外科にかかる時の代表的な症例

特殊な親知らずの生え方をしている

親知らずを抜くことは普通の一般歯科でも可能です。しかし、親知らずの生える場所や方向によって、通常の方法での抜歯が難しい場合があります。
親知らずを抜くために切開が必要な症例や大量出血が見込まれるなどの場合には、口腔外科での受診が必要です。
自身の判断では親知らずがどのような状態かを判断することは難しいので、親知らずが気になった場合には、一度かかりつけの歯科医院に相談してみましょう。

顎が痛む、口が開けづらいなど顎関節症の可能性がある

口を開けた時に顎が痛む、口を大きく開けづらいなどの症状がある場合には、顎関節症などの可能性が疑われます。
また、口を開けたり閉じたりすると、頬の下の顎がガクンと引っかかったようになる症例にも注意が必要です。
噛み合わせを治したり、手術が必要な場合もあるので、口腔外科がある歯科医院を受診するのが良いでしょう。

唇や舌、口の中の怪我

口の中や口の周辺の怪我は、比較的大量出血を伴うケースが多く、縫合が必要な場合もあります。もし、出血がみられる怪我をした際は、慌てずにタオルなどの清潔な布で圧迫し、できるだけ早急に口腔外科のある歯科医院を受診するのが良いでしょう。また、歯や顎などの骨がダメージを受けていないかを調べる必要もあります。

食べ物や飲み物の味が分からない、もしくはいつもと違うように感じる

味覚の異常は、貧血や亜鉛の不足、歯周病、服薬している薬の副作用、加齢、ストレス、体感異常症やカンジダ症などのさまざまな要因が考えられます。口腔内に詳しい専門医により、原因を究明することが必要です。

口周辺の筋肉が麻痺したり、引きつったりしているような感覚がある

顔の筋肉を動かすのは顔面神経です。顔面神経が麻痺すると、瞼がうまく閉じられなかったり、上瞼や口角が垂れたようになる、気づかないうちによだれが垂れてしまう、といった症状が現れます。
このような顔面神経の麻痺も口腔外科の領域となります。
ビタミン剤、ステロイド薬、抗ウイルス薬の投与や、低周波などの理学療法を行うことが多いです。また、場合によっては、顔面神経開放術などの手術が必要になります。

インプラント

歯を失った部分の骨に人工の歯根を埋め込み、人工の歯を取りつける治療がインプラントです。従来の入れ歯とは違い、まるで自分の歯のような使用感です。お手入れもいつも通りの歯磨きだけなので、人気の治療法です。
一般歯科では難しい症例のインプラントであっても、口腔外科ではできる範囲が広がるため、施術ができる場合もあります。

自身で判断がつかない時は歯科医院に相談しましょう

一般歯科と口腔外科の違いについて、それぞれの役割の違いを紹介しました。

一般歯科では、虫歯の治療や虫歯予防といった治療などを行っており、口腔外科では口と口周りの外傷や病気など、外科的な処置にも対応が可能です。
自身の口の中の状態が、一般歯科と口腔外科のどちらに行くか迷ったら、かかりつけの歯科医院で相談してみましょう。