予防歯科と定期検診はどう違いますか? blog

2022.03.15


 
むし歯に対して大切なのは、治すことではなく予防することです。

そのため、多くの歯科医院では、むし歯を予防するための治療に対応しています。

さて、そのような予防治療に対して、予防歯科と表現する人がいます。
 
 
そして一方で、予防治療を受けることを定期検診と表現する人もいます。

では、予防歯科と定期検診はイコールなのでしょうか。

仮にイコールではないとすれば、何が違うのでしょうか。
 

予防歯科とは

まず、予防歯科について分かりやすく説明すると、

予防歯科とは、「むし歯を予防するための取り組み」を意味する言葉です。

ということは、むし歯を予防するために行っていることは、全て予防歯科に含まれるということになります。
 
 
例えば、歯磨きは、むし歯を予防するために毎日行うものですし、

糖の摂取を控える食生活を考えて、むし歯を予防しようとする人もいるでしょう。

この場合、歯磨きも食生活の改善もむし歯を予防するためのものですから、いずれも予防歯科に含まれます。
 
 
つまり、歯磨きは予防歯科ですし、むし歯を予防するための食生活の改善も、予防歯科ということになります。
 

セルフケアとプロフェッショナルケア

上記では、予防歯科が「むし歯を予防するための取り組み」と説明しました。

ただ、一言でそう表現しても、さまざまな方法がありますよね。
 
 
歯磨き・食生活の改善・歯科医院でのフッ素塗布……方法を挙げると、キリがありません。

そこで、このような予防歯科の内容を2つの種類に分けると、次のようになります。
 
 
・セルフケア

・プロフェッショナルケア
 
 
セルフケアとは、自身で行うむし歯予防であり、毎日の歯磨きやデンタルフロス、食生活の改善などが挙げられます。

一方、プロフェッショナルケアとは、歯科医院で行う予防治療であり、

歯のクリーニングやフッ素塗布などが挙げられます。
 

定期検診とは

定期検診で行うことは、むし歯の有無の確認や、ブラッシング指導・歯のクリーニング・フッ素塗布など、

むし歯の予防するための治療です。つまり定期検診では、予防歯科のプロフェッショナルケアを行います。

その点から分かるとおり、定期検診とは予防歯科において、代表的ともいえるプロフェッショナルケアです。
 
 
予防歯科を受ける・定期検診を受けると表現すると、分かりづらいと思います。

そこで、「予防歯科とはむし歯を予防するための取り組みで、定期検診は歯科医院で行う取り組みの一つと、

表現してみてください。そうすれば、予防歯科と定期検診の関係性がよく分かるでしょう。
 

むし歯の早期発見も可能

セルフケアの予防歯科と比較した場合、定期検診には大きなメリットがあります。

それは、むし歯の早期発見が可能になることです。

定期検診では、医師がお口の健康状態を確認して、むし歯の有無をチェックします。
 
 
そのため、むし歯が発症していた場合も発見して、そのまま治療に進むことができるのです。

このようにむし歯を早期発見できれば、むし歯の重症化を防ぐことができますし、

歯を深く削る・神経を除去するなどの必要がなく、負担のかかりにくい治療法でむし歯を治せます。
 
 
その意味では、むし歯治療が苦手な人ほど、定期検診の受診はおすすめで、

なぜなら辛い治療をすることなく、むし歯を治すことができるからです。
 

定期検診を受診しない場合

そもそも、予防歯科でもむし歯を100%予防できるとは限りません。

むし歯はどうしても発症することがあるので、その場合は早期発見・早期治療が重要です。

しかし、定期検診を受診しない人は、むし歯の早期発見・早期治療は不可能でしょう。
 
 
なぜなら、むし歯の発症に気づいてから歯科医院に行くことになりますし、

むし歯の発症に気づくきっかけは、「歯の痛み」であるケースが多いからです。

歯の痛みというのは、確かにむし歯の症状の一つですが、初期段階のものではありません。
 
 
むし歯で歯が痛むということは、そのむし歯は最低でも象牙質まで進行しているのです。

つまり、歯が痛んだ瞬間に治療を受けたとしても、それは進行したむし歯の治療になるということ。

むし歯を治療するタイミングとして、決して早いとはいえません。
 

まとめ

いかがでしたか?

最後に、予防歯科と定期検診についてまとめます。
 
 
1. 予防歯科とは :むし歯を予防するための取り組みで、例えば歯磨きも予防歯科に含まれる

2. セルフケアとプロフェッショナルケア :予防歯科の内容は、セルフケアとプロフェッショナルに分けられる

3. 定期検診とは :歯科医院で行う予防治療のため、要するに予防歯科におけるプロフェッショナルの一つ

4. むし歯の早期発見も可能 :定期検診を受診していれば、むし歯の早期発見も可能になる

5. 定期検診を受診しない場合 :虫歯が発症した時点では気づかず、進行してしまうことが多い
 
 
これらのことから、予防歯科と定期検診について分かります。

予防歯科が「むし歯を予防するための取り組み」であることに対して、

定期検診は「むし歯を予防するための取り組みの一つ」です。

つまり、「定期検診とは予防歯科における代表的な方法の一つ」と解釈すればいいでしょう。