二次むし歯というのは、普通のむし歯とは違うのですか? blog

2022.01.15


 

みなさんは、二次むし歯という言葉を聞いたことはありませんか?

二次むし歯は二次カリエスと呼ばれることもあり、「二次」の言葉から連想できるとおり、むし歯の再発です。

つまり、一度むし歯治療した歯が再度むし歯になることを、二次むし歯と呼びます。
 
 
それは一見稀なケースのように思えますが、実際にはそうではありません。

むしろ二次むし歯が起こるケースは多く、大人のむし歯の大半は二次むし歯によるものです。

今回は、そんな二次むし歯についてのお話をしていきます。
 

どうやって二次むし歯が起こるのか

症例にもよりますが、基本的にむし歯の治療をした際は詰め物で処置するため、

本来なら患部は詰め物によって保護されており、細菌に感染しづらい状態になっています。

ただ、詰め物などの人工物には寿命があり、永久に使用することはできません。
 
 
そのため、一定年数経過することで劣化が見られるようになり、接着力も弱くなってしまうのです。

そうなると、歯と詰め物の間が僅かな隙間が生まれ、そこから細菌が侵入していきます。

これによって患部は細菌に感染してしまい、再びのむし歯……つまり二次むし歯が発症するのです。
 

二次むし歯は初めてのむし歯よりも怖い

二次むし歯も初めてのむし歯も、むし歯はむし歯です。

進行すれば痛みを感じるようになり、さらに進行すれば神経を失い、最終的には歯を失ってしまう怖い病気です。

その点では、どちらも怖いことに変わりないでしょう。
 
 
ただ、実際には二次むし歯の方が怖いと言われており、それは発症に気づきにくいのが理由です。

なぜなら、患部が詰め物に覆われていることで、見た目でむし歯に気づくことができません。

そうなると進行を許してしまいますし、二次むし歯と治療を繰り返すことで、歯も少しずつ失われていくのです。
 

二次むし歯の予防方法

二次むし歯を予防するには、最初の虫歯同様、歯磨きによる予防が基本です。

さらに次の方法によって、二次むし歯は格段に予防しやすくなります。
 

定期検診を受ける

そもそも、二次むし歯は詰め物の劣化によって起こるものであり、

気づきにくいのは、詰め物の異常を見た目で判断しづらいのが理由です。

定期検診を受けることで医師がお口の中を確認するため、詰め物に異常があった際も発見して対処できます。
 

セラミックにする

詰め物などの人工物をセラミックにすることで、二次むし歯を予防しやすくなります。

セラミックは材質的にツルツルしているので、プラークや汚れが付着しにくいですし、

歯との接着もしっかりしているので、歯との間に隙間が生じにくいのです。
 

セラミックについて

二次むし歯の予防において、セラミックが効果的と説明しました。

そこで、セラミックについて少々解説しておきます。
 
 
セラミックとは人工物に使用する素材の一つであり、分かりやすく言えば陶器です。

セラミックのメリット・デメリットをまとめると、次のようになります。
 

セラミックのメリット

セラミックのメリットとしては、次のことが挙げられます。
 

  • 見た目が美しい
     
    審美性の高さは、セラミックの最大のメリットです。

    銀歯と違って色が白く、さらに天然の歯に合わせた自然な白さを再現しています。

    また、銀歯のように歯肉を変色させることもないため、お口の審美性を高める効果があります。

  •  

  • 長持ちしやすい
     
    セラミックの素材は銀歯に比べて長持ちしやすく、人工物としての寿命が長くなります。

    とは言えケアは必要になりますから、雑な歯磨きをしてしまえば、いくらセラミックでも長持ちしないでしょう。

    一方、ケアが万全なら10年以上の使用も可能であり、もっと長く使用できている人も少なくありません。

  •  

  • 身体に優しい
     
    セラミックは生体親和性の高い素材です。

    さらに金属も使用していないため、金属アレルギーの方でも使用可能です。

    ただし、メタルボンドと呼ばれるタイプは金属を使用しています。

 

セラミックのデメリット

セラミックのデメリットとしては、次のことが挙げられます。
 

  • 費用が高い
     
    セラミックは自由診療になるため、保険診療の銀歯に比べて費用は高めです。

    特定の基準を満たした場合は、ハイブリッドセラミックのみ健康保険の適用が可能ですが、

    従来のハイブリッドセラミックと全く同じものではなく、さらに被せ物の場合しか適用されません。

  •  

  • 強度は金属に劣る
     
    セラミックは、寿命を意味する耐久性においては優れていますが、

    強度においては金属に劣り、強い力で噛むと割れてしまうことがあります。

    もっとも、ジルコニアセラミックやメタルボンドなど、強度に長けた特徴を持つセラミックも存在します。

 

まとめ

いかがでしたか?

最後に、二次むし歯の説明についてまとめます。
 
 
1. どうやって二次むし歯が起こるのか :詰め物の劣化によって生じた隙間から細菌が入り込む

2. 二次むし歯は初めてのむし歯よりも怖い :初めてのむし歯に比べて気づきにくいので、進行を許しやすい

3. 二次むし歯の予防方法 :定期検診の受診、詰め物をセラミックにするなどの方法が効果的

4. セラミックについて :メリットは審美性の高さなど、デメリットは費用の高さなど
 
 
これらのことから、二次むし歯の説明について分かります。

二次むし歯になれば歯が溶かされ、その治療のために歯を削り、これらを繰り返せばいずれ歯を失います。

そのため、むし歯治療した歯はむし歯の再発を予防する必要があり、

定期検診やセラミックの素材などで対処することが効果的です。