歯の痛みは冷やせば解消することができますか? blog

2021.10.15


 

身体の痛みへの応急処置として、「冷やす」「温める」の方法が挙げられますが、

どちらが正しい方法なのかは痛みの種類によって異なります。

歯の痛みの場合は前者…つまり冷やすのが正解であり、冷やすことによって痛みを緩和することができます。
 
 
ただ、冷やす時には注意点がありますし、冷やすのが正しい理由についても知っておいた方がいいでしょう。

また、冷やすことだけが応急処置ではないため、他の方法も知っておくと便利です。

そこで、ここでは歯の痛みに対する応急処置について解説していきます。

 

冷やすのが正しい理由

歯が痛む理由はさまざまですが、一般的には神経の圧迫によるものだと考えられます。

ちなみに、温めた場合は血行が良くなります。
 

  • お風呂に入る
  • お酒を飲む
  • 運動する

 
たとえば、いずれの行為も「身体温まって血行が良くなる」ということを知っている人も多いでしょう。

ただ、血行が良くなるということは血流が盛んになるということですから、神経がより圧迫されることになります。

神経の圧迫によって痛みを感じる状態でさらに神経が圧迫されれば、痛みが増すのは言うまでもありません。

つまり、歯の痛みに対して温めるのは逆効果であり、この場合は冷やすのが正しいのです。

 

冷やし方に注意する

冷やすというのは歯にとって刺激となるため、過剰な刺激を与えるのは逆効果です。

言い換えれば、「冷やしすぎるのは良くない」ということです。

そこで注意しなければならないのが、歯を冷やす時の冷やし方になります。

 

  • 氷を口に含む
  • 冷水でうがいをする

 
このように、患部を直接冷やすのは刺激となり、余計に痛みが増してしまう可能性があるのです。

そのため、頬側から冷やすのが正しい冷やし方であり、

「濡れタオルを当てる」「解熱用のシートを頬に貼る」などの方法で冷やしましょう。
 

冷やす以外の応急処置

歯が痛む時は、冷やす以外にも以下の方法で痛みを緩和させることができるので、覚えておくと便利です。

 

痛み止めを飲む

歯科医院で処方されたものはもちろん、市販の痛み止めでも構いません。

効果の欄に「歯痛」「歯の痛み」などの記載があるものは、歯の痛みを緩和させることがあります。

ただし、頭痛や腹痛の時同様に痛み止めには即効性がないため、効果が出るまでに少し時間がかかります。
 

正露丸を詰め込む

腹痛への対処として有名な正露丸は、歯の痛みにも対処できます。

ただし、歯痛の対処は使用方法が異なり、「飲む」ではなく「詰める」という方法になります。

患部に押し込んで詰めることで痛みが緩和され、詰め込んだ正露丸は時間の経過で溶けていきます。
 

救急センターに行く

夜遅い時間に歯が痛んだ時、歯科医院に行きたくても行けませんが、救急センターなら対応することが可能です。

「自分の住んでいる地域・歯科・救急」もしくは「自分の住んでいる地域・歯科・夜間」などで検索すれば、

最寄りの歯科救急センターの場所がすぐ分かるので、緊急時に備えて調べておくといいでしょう。
 

歯が痛む時にやってはいけないこと

歯が痛む時、やってはいけないことについても覚えておきましょう。
 

温める

上記で解説したとおり、歯が痛む時に温めるのは逆効果です。

正確には血行が良くなる行為は逆効果なので、「入浴」「運動」などにも同様のことがいえます
 

患部に触れる

歯が痛むとどうしても気になってしまい、患部に触れる人がいます。

しかし、触れることで指についていた細菌まで付着してしまう可能性があるため、患部に触れてはいけません。
 

歯磨きする

患部を綺麗するために歯磨きする人がいますが、歯が痛む時にゴシゴシ磨くと患部を傷つけてしまいます。

もちろん歯磨きは大切ですが、痛みを緩和させるのが目的の場合は「ぬるま湯でのうがい」が効果的です。

うがいをする際も、やさしいうがいを何度も繰り返すようにしましょう。
 

まとめ

いかがでしたか?

最後に、歯の痛みの解消方法についてまとめます。

 
1. 冷やすのが正しい理由 :温めると血行が良くなり、神経を圧迫させてしまうことで痛みが増す

2. 冷やし方に注意する :直接冷やすと患部への刺激になるため、頬側から冷やすようにする

3. 冷やす以外の応急処置 :痛み止めを飲む、正露丸を詰め込む、救急センターに行く

4. 歯が痛む時にやってはいけないこと :温める、患部に触れる、歯磨きする
 

これら4つのことから、歯の痛みの解消方法について分かります。

いずれの方法で緩和させた場合も、起こっている症状に対する治療効果は一切ありません。

そのため、たとえ痛みが収まったとしてもそのまま放置しておいてはいけません。
 
 
ここで紹介した方法はあくまで応急処置であり、一時的な痛みの緩和のみの効果でしかなく、

後日必ず歯科医院に行って診察してもらいましょう。そうしなければ、再び歯が痛くなってしまいます。

今回お伝えしたのは、「歯に起こっている症状を治す方法」ではなく「歯の痛みを一時的に緩和する方法」です。