歯石のおはなし blog

2021.08.20

皆様こんにちは。
蒲田の歯医者 菊地歯科医院、歯科衛生士の竹田です。

早速ですが、皆さんは「歯医者で歯石取りをしたら、歯茎から出血した」という経験はありませんか?
そうなると不安になりますよね。

これは実は、歯肉炎などが原因で歯茎が炎症を起こしている証拠なのです。

そもそも歯石って?

歯石とは、プラーク(歯垢)と呼ばれる細菌の塊が歯の表面に付着し、石のように硬くこびりついたものです。
主に歯と歯茎の境目に付きます。
やわらかい歯垢と違い、歯石は歯ブラシでは取ることができません。

歯石をこびりついたまま放っておくと歯周病が進行する原因となるため、
歯科医院で専用の器具を使って除去をする「歯石取りの治療」が必要になってくるのです。

歯石ができる仕組みは、歯茎の上にできるか下にできるかで異なります。

歯茎の上にできる歯石

歯茎より上にできる歯石を「歯肉縁上歯石(しにくえんじょうしせき)」といいます。

歯の裏側には唾液が出るところがあり、そこから出た唾液とカルシウム成分が結び付くことで歯垢が石灰化という、
石のように固まる現象が起こります。これが溜まることで歯石となります。

エナメル質でおおわれているツルツルとした歯の表面にできるので、比較的除去しやすい歯石です。

歯茎の下にできる歯石

歯茎より下にできる歯石を「歯肉縁下歯石(しにくえんかしせき)」といいます。

唾液と関係する歯肉縁上歯石とはちがい、歯と歯茎の間から染み出る浸出液というものとカルシウム成分が結び付き、
歯垢などが石灰化し固まってできる歯石です。褐色や黒っぽい色をしています。

歯茎の下にこびりついているため、除去するのが難しく、痛みもあります。


また、歯ブラシで歯磨きをする際も血が出ることはありませんか?
それは、磨き残した細菌(歯垢)が溜まっていて「歯茎が炎症を起こしている」という合図なのです。
つまり、歯磨きをして血が出る部分は「しっかりと歯を磨く必要があります」ということです。

自分のお口に合った歯ブラシや磨き方をしていなかったり、いい加減に磨いていたりすると、汚れはどんどん溜まり、歯茎は炎症を起こして腫れたままです。
この状態で歯石取りを受けると、「痛い」「歯茎から出血した」となってしまいます。

ちなみに、歯ブラシは月に1回交換しましょう。
使っていくと毛先が広がってしまい、広がった歯ブラシのままブラッシングした場合、
新しい歯ブラシを使った時と比べて、汚れの除去率が40パーセントも違うと言われています。

歯周病が進行すると、歯茎の腫れ・出血・口臭・歯のぐらつきなどを引き起こし、最終的には歯を失う可能性もあります。
定期的に歯石取りを受けて、お口の中に細菌を溜め込まないようにしましょう。