歯周病が細菌に感染する病気なら、人にうつることはないのですか? blog
2021.06.15
歯周病は細菌による感染症の一種であり、つまり細菌に感染することで起こる病気です。
その点では歯周病には風邪に似た一面がありますが、それなら歯周病も人から人にうつるのでしょうか。
風邪の場合、近くにいる人にうつることがあり、友人や家族の風邪がうつった経験のある人も多いでしょう。
そこで、ここでは歯周病をテーマにして歯周病が人にうつる可能性について考えていきます。
また、歯周病の予防方法についても解説していくので、
この機会に歯周病という病気を詳しく知り、予防意識を高めておきましょう。
歯周病は人から人へとうつる
結論からいうと、歯周病は人から人にうつる病気であり、幼い子どもにうつる母子感染は問題になっています。
もっとも、「うつる」というよりも「原因菌が移動する」と表現した方がイメージしやすいかもしれません。
例えば、ある人が重度の歯周病にかかっていたとして、その人が持つ歯周病菌が他人にうつったとします。
この場合、うつされた側も重度の歯周病にかかるわけではなく、移動するのはあくまで歯周病の原因菌のみです。
これは風邪も同じで、熱・症状がそっくりそのまま相手にうつるわけではないですからね。
つまり、歯周病は原因菌が人から人に移動するのです。
歯周病はどうやってうつるのか
歯周病の原因菌の感染経路は唾液であり、唾液を介して人から人へとうつります。
そこで唾液を介す行為を考えると、例えば次のことが挙げられます。
- キス
- 回し飲み
- 食器の共用
- 歯ブラシの接触
いずれも、家族・恋人など親しい間柄の人同士での行為ということが分かるでしょう。
つまり、歯周病は自分が大切にしている人にうつしてしまう可能性があり、
また自分が大切にしている人にうつされてしまう可能性があるのです。
歯周病はどんな病気なのか
歯周病が人にうつるといっても、歯周病自体どんな病気なのかあまり分からないという人もいると思います。
そこで解説すると、歯周病は「歯の周りの病気」の文字どおり、歯の骨の病気です。
歯周病になると歯肉に炎症が起こり、歯と歯肉の境目に歯周ポケットと呼ばれる溝が発生します。
その溝に溜まった細菌が悪さをして、歯を支える歯槽骨を溶かしてしまうのです。
歯槽骨が溶かされることで歯は支えを失い、やがては抜け落ちてしまいます。
歯周病で歯が抜けるのは、このように歯槽骨が溶かされてしまうことが理由です。
歯周病を予防するには
歯周病を予防するためには、次の3つのことを全て実践するのが効果的です。
これらを実践すれば予防しやすいのはもちろん、発症しても重症化を防ぐことができます。
精度の高い歯磨きをする
歯磨きは、ただ磨ければいいわけではなく、多くのプラークを除去できる精密さが必要です。
そのため、デンタルフロスや歯間ブラシを使って磨くようにしましょう。
また、歯科医院でブラッシング指導を受けることもおすすめします。
生活習慣を改善する
歯周病の原因菌に感染しないためには、身体の免疫力を高めることも大切です。
例えば、疲労やストレスを解消するために充分な睡眠をとる、
栄養バランスの良い食生活を心がけたりすることなども、歯周病の予防につながります。
定期検診を受ける
まず、定期検診を受けることで歯周病の有無を確認できます。
さらに、ブラッシング指導や生活習慣改善のアドバイスなど、予防治療を受けることもできます。
そのため、定期検診を受けることで歯周病の予防効果が高まり、さらに歯周病の重症化を防ぐことができるのです。
歯周病の自己診断
歯周病は静かなる病気と呼ばれており、虫歯にように目立つ自覚症状がありません。
とはいえ、自覚症状が全くないわけではなく、以下の自覚症状がある人は歯周病にかかっている可能性があります。
- 歯肉が腫れている・変色している
- 口臭がする
- 歯石がある
- 起床時に口の中がネバネバする
- 歯磨きの時などに歯肉から出血する
- 歯がしみることがある
- 歯が伸びて見える、もしくは歯肉が下がって見える
- 歯が動く
これらの項目に当てはまることが多い人ほど、歯周病にかかっている可能性が高いでしょう。
ただし、あくまで簡単な自己診断のため、参考程度に役立ててください。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、歯周病の感染についてまとめます。
1. 歯周病は人から人へとうつる :歯周病の原因菌は人から人へと移動する
2. 歯周病はどうやってうつるのか :唾液を介してうつるため、キスや回し飲みなどの行為が該当する
3. 歯周病はどんな病気なのか :歯の骨の病気。進行すると歯槽骨が溶かされて歯が抜け落ちる
4. 歯周病を予防するには :精密な歯磨き、生活習慣の改善、定期検診の受診の3つを実践する
5. 歯周病の自己診断 :歯肉が腫れている・変色している、口臭がする、歯石があるなど
これら5つのことから、歯周病の感染について分かります。
歯周病になっても虫歯のように歯が酷く痛むことはないため、
歯の痛みの有無は歯周病の有無を判断する根拠にはなりません。
そのため、現在歯が痛くない人でも歯周病が発症している可能性を否定できず、
予防も兼ねて定期検診を受診してみることをおすすめします。