神経を抜くと虫歯になりやすいのですか? blog

2021.03.15

 

皆さまこんにちは。

まだまだ朝晩の冷え込みがあるものの、日ごとに春めいてきた今日この頃、花の便りも届き始めました。

今回は虫歯と神経の関係などを見ていきましょう。

 

虫歯治療の時、虫歯の進行度によっては医師の判断で神経を抜くことがあります。

しかし、神経を抜いた歯は虫歯になりやすく、他にもさまざまなデメリットがあるのが事実です。

だとすれば、なぜ医師は神経を抜く判断をするのでしょうか。

 

そこで、ここでは虫歯と神経を抜くことをテーマにしたお話をしていきます。

歯を守るのはもちろん大切ですが、神経を守ることも大切だということを覚えておきましょう。

 

 

神経を抜くデメリット

神経を抜けば、当然神経の役割が果たせなくなってしまいます。

そこで、まずは神経の役割を見ていきましょう。

 

  • 虫歯の進行を食い止める:虫歯の進行路を神経が塞ぎ、虫歯が進行しにくくなる
  • 感覚を伝達する:痛みを伝達することで、痛みを感じて虫歯の発症に気づける
  • 歯に栄養を供給する:歯に栄養を届け、歯を丈夫にする

 

神経にはこのような役割があります。

つまり、神経を失うことには「虫歯の進行を食い止められない」「痛みを感じなくなって虫歯を自覚できない」

「歯に栄養が行き届かなくなる」などのデメリットがあることになります。

 

医師が神経を抜く理由

神経を抜くことには上記のデメリットがあるのですが、それでも医師が神経を抜くのはなぜなのでしょうか。

それは、神経を抜かなければならないほど虫歯が進行してしまっているのが理由です。

この場合、虫歯が神経まで進行していることが考えられ、細菌に感染した神経が炎症を起こします。

 

この炎症によって夜も眠れないほどの辛い激痛を感じるようになり、

さらに炎症を抑えることができないため、痛みを解消するには神経を抜くしかないのです。

つまり、「デメリットがあるものの、神経を抜かざるを得ない状態になっている」が、医師が神経を抜く理由です。

 

二次虫歯の注意

神経を抜いた場合、虫歯の治療後も二次虫歯に注意する必要があります。

もっとも、神経を残した場合も虫歯の再発には注意する必要がありますが、

神経を抜いた場合は痛みを感じなくなるため、二次虫歯の発症に気づきにくいのです。

 

仮に二次虫歯が発症してそれに気づくことができなければ、

二次虫歯は知らない間にどんどん進行し、その虫歯は重症化してしまうでしょう。

そのため、神経を抜いた場合は従来以上に二次虫歯に注意しなければなりません。

 

神経を抜く治療

神経を抜く際、根管治療という難易度の高い治療を行うことになります。

虫歯が神経まで進行した場合、神経が集まる歯髄腔は細菌だらけの状態になっており、

治療するためには根管内にある神経・細菌を除去しなければなりません。

 

神経・細菌を除去した後、清掃・消毒を行うのが根管治療であり、

ただ根管治療は難易度が高く、それは根管の形状は人によって異なっているからです。

さらに内部を直接確認することができないため、レントゲン・CTを用いての治療になります。

 

歯の見た目への影響

神経を失った歯は栄養が供給されず、脆くなる上に歯は黒く変色してしまいます。

歯の変色に対してはホワイトニングをすることによって対処できますが、

神経を失った原因による変色には効果がなく、ホワイトニングをしても白くなりません。

 

つまり、神経を失うことは歯の健康だけでなく、審美性にも悪い影響をもたらしてしまうのです。

虫歯を放置して神経まで進行した場合、さらに放置すれば神経は死んでしまいます。

そうなると歯は黒く変色するため、歯がこのように変色した場合は神経が死んでしまっていることが考えられます。

 

神経を守るためには

神経を守るための方法は、特別難しいわけではありません。

意識すべきことは「虫歯を予防する」「虫歯を早期治療する」の2つです。

前者は、精密な歯磨き・食生活の改善などによって予防できるでしょう。

 

また、例え虫歯が発症しても早期治療すれば神経を失う事態にはならず、

そのためには定期検診を受診するなどして、定期的に歯の健康状態を確認するのが確実です。

言い換えれば、虫歯を放置さえしなければ神経を失うことはありません。

 

まとめ

いかがでしたか?

最後に、神経を失うことについてまとめます。

 

1. 神経を抜くデメリット :虫歯の進行を食い止められない、痛みを感じなくなって虫歯を自覚できないなど

2. 医師が神経を抜く理由 :デメリットは理解していても、神経を抜かざるを得ない状態になっている

3. 二次虫歯の注意 :神経を失うと痛みを感じなくなるため、虫歯の再発に気づきにくい

4. 神経を抜く治療 :根管治療。根管の形状は人によって異なるため、治療の難易度は高い

5. 歯の見た目への影響 :神経を失うと歯が黒く変色するため、歯の見た目も悪くなる

6. 神経を守るためには :虫歯の予防・虫歯の早期治療を心掛ければ、神経を失う事態にはならない

 

これら6つのことから、神経を失うことについて分かります。

虫歯にかかる人の中には、神経が死んで痛みが解消されることをプラスに考える人もいますが、

神経を失うことにはさまざまなデメリットがあり、決してプラスの状況ではありません。

神経には大切な役割があるということ、

そして神経を失えばその大切な役割が果たせなくなることを覚えておきましょう。