虫歯治療|歯が痛い原因と、噛むと痛いときの受診の流れをわかりやすく解説 blog

2025.12.20

「歯がしみる」「噛むと痛い」「冷たいものがしみる」など、口の中の違和感は日常生活の中でよく見られます。
これらの症状は必ずしも虫歯とは限りませんが、多くの場合、虫歯の初期〜中等度で見られる代表的なサインです。
この記事では、虫歯で痛みが出る理由や、治療の一般的な流れ、そして放置することで起こり得るリスクについて、できるだけわかりやすくまとめました。
これから治療を検討されている方や、「これって虫歯かも?」と不安を感じている方は参考にしてください。

歯が痛い原因とは?—まず知っておきたい虫歯の進行と症状

虫歯は、歯の表面についたプラーク(歯垢)の中の細菌が、糖分を分解して酸をつくり、歯を溶かしていくことで進行します。よく知られている病気ですが、虫歯の進行度によって症状が異なり、「痛みが出るステージ」もさまざまです。

初期虫歯:目で見ても気づかないことが多い段階

歯の表面が白く濁ったり、ごく浅い溝ができたりするものの、痛みはほとんどありません。
「冷たいものが少ししみる」程度の違和感で終わることもあります。

エナメル質の虫歯:しみる症状が出始めることも

歯の表層であるエナメル質に進むと、冷たいものがしみるなどの軽い症状が現れる場合があります。ただし、この段階でも痛みを感じない人は多く、定期検診でしか見つけられないこともあります。

象牙質に進行した虫歯:噛むと痛い・甘いものがしみる

象牙質は刺激に敏感なため、

  • 冷たいものが歯にしみる
  • 甘いものが痛む
  • 噛んだ時だけズキッとする

といった症状が現れやすくなります。「噛むと痛い」という症状は、象牙質まで進んだ虫歯でよく見られます。

神経に近づくと、ズキズキした強い痛みも

さらに進むと、歯の神経(歯髄)に近づくため、

  • 温かいものがしみる
  • 何もしなくてもズキズキ痛む

など、強い痛みに変わっていくことがあります。ここまで進むと、日常生活にも影響を及ぼすほどのつらさにつながるケースがあります。

噛むと痛い原因は虫歯だけではない?

「噛む時だけ痛い」という症状は虫歯でもよくみられますが、他にも原因があります。

歯の亀裂(クラック)

歯に細かいひびが入ると、噛んだ瞬間に痛むことがあります。

歯周病による炎症

歯ぐきが腫れている場合、噛むと押されて痛むことがあります。

詰め物や被せ物の不適合

過去の治療で入れた詰め物が劣化したり、上下の噛み合わせが変化したりすると、噛んだときの痛みにつながることがあります。

歯に負担がかかっている

噛む力が強かったり、歯ぎしり・くいしばりがあると必要以上に歯に負担がかかり、痛みがでる場合があります。

こうしたトラブルは見ただけでは判断できないため、歯科医院で診察を受けて原因を正確に把握することが大切です。

痛みを放置するとどうなる?虫歯を進行させるリスク

「ちょっとしみるけど、まだ大丈夫」と放置してしまうと、虫歯は自然に元に戻ることはほとんどなく、少しずつ進行していきます。具体的には以下のようなリスクが挙げられます。

痛みが強くなる可能性

初期段階では軽いしみ程度だったものが、時間とともに強い痛みに変わることがあります。

治療の負担が大きくなる場合がある

虫歯が深くなると、治療に必要なステップが増えることがあります。
そのため、早めに診断を受けることで、治療内容の選択肢が広がることもあります。

噛みにくい・飲みにくいなど日常生活に影響が出ることも

ズキズキした痛みが続くと、食事や会話に支障が生じる場合があります。

周囲の歯にも影響が及ぶことがある

虫歯が大きくなると、噛み合わせや口の中全体の清掃性に影響し、ほかの歯がむし歯や歯周病になりやすい環境につながることもあります。

虫歯治療の一般的な流れを解説|初診から治療まで

虫歯治療は歯科医院によって手順が異なる部分もありますが、一般的には次のような流れで進みます。受診前のイメージをつかんでおくことで、より安心して治療に向かえるでしょう。

①問診|どんな症状があるか丁寧にヒアリング

まずは症状を聞き取り、痛みの程度やタイミング、しみ方などを確認します。
「噛むと痛い」「冷たいものがしみる」といった情報は診断に役立ちます。

②視診・触診・レントゲン検査

歯の表面だけでなく、肉眼では見えない部分も確認するため、レントゲン撮影を行うことがあります。
虫歯の深さや範囲、神経との距離、過去の治療との関係などを把握するためです。

③診断と説明|わかりやすく現状を共有

検査結果をもとに、

  • 虫歯の状態
  • 痛みの原因として考えられること
  • 必要と考えられる治療方法

などを説明します。不安や疑問は治療をスタートする前にしっかり歯科医師に相談しましょう。

④治療開始|虫歯の部分を取り除く処置

一般的な流れとして、虫歯が進行した部分を除去し、その部位を清潔に整えます。

  • 浅い虫歯の場合
    削る量が少ないことが多く、比較的短時間で治療が完了するケースもあります。
  • 深い虫歯の場合
    虫歯が神経に近い場合、慎重な処置が必要になる場合があります。

治療内容は虫歯の大きさ・深さによって変わるため、事前の説明で納得してから進めることが大切です。

⑤詰め物・被せ物の製作と装着

虫歯を取り除いた後は、

  • 詰め物(インレー、アンレー)
  • 被せ物(クラウン)

などで歯の形を整えます。
選択できる素材は複数あり、費用・特徴・強度・見た目などを比較しながら決めていきます。
「白い歯がいい」「費用は抑えたい」といった希望はしっかり歯科医師に伝えるようにしましょう。

⑥調整・かみ合わせチェック

装着後は、噛んだときに違和感がないかを確認し、必要に応じて微調整を行います。
「噛むと痛い」という症状が残らないよう、違和感があれば遠慮せずに歯科医師に伝えてください。

⑦治療後のケアと定期検診

治療後も、虫歯が再発しないようにしっかりセルフケアを行い、定期的な受診も忘れないでください。

「歯が痛い」「噛むと痛い」と感じたら、早めの相談を

歯の痛みは、虫歯だけでなく、歯周病、詰め物の不具合、歯のひびなど、さまざまな原因で起こります。
特に虫歯の場合、早めに診断を受けることで治療の選択肢が広がる場合があり、日常生活への影響を大きくすることを避けられるケースもあります。

「まだ大丈夫」「様子を見てみよう」と思っているうちに症状が進むことも少なくありません。違和感を覚えたら、無理に我慢せず、早めに歯科医院を受診しましょう。