「歯が痛い」を解決!むし歯治療の基本について blog
2024.04.15
歯が痛いとき、その原因の一つとしてむし歯が挙げられます。
むし歯はよく知られた口腔疾患の一つであり、放置するとさらなる健康問題を引き起こす可能性があると広く知られています。
しかし、むし歯になるとなぜ歯が痛むのか、またどのような治療があるのかは、よくわからない方も多いでしょう。
そこで今回は、むし歯やむし歯治療の基本について解説していきます。
むし歯になると歯が痛いのはなぜ?
むし歯になると歯が痛い理由は、むし歯が進行する過程で歯が段階的に破壊され、最終的に歯の神経(歯髄)に影響を及ぼすためです。
歯は、大きく外側からエナメル質、象牙質、歯髄の3つの層から成り立っています。
・エナメル質:硬い組織でできている
・象牙質:エナメル質よりも柔らかく歯髄を包んでいる
・歯髄:神経や血管が通っている
むし歯は、口腔内の細菌が食べかすを代謝する際に出す酸によって、歯の硬質組織が少しずつ溶解し進行します。
初期段階は硬いエナメル質が侵されていきますが、この時点では痛みを感じることは少ないものです。
しかし、エナメル質よりも柔らかく歯髄に近い象牙質にむし歯が達すると、しみたり痛みを感じやすくなります。
さらに歯髄まで細菌の感染が及ぶと、夜眠れないほどの痛みを感じる方もいます。
そのまま放置すると、歯のほとんどが溶け、痛みで顔が腫れ上がることも珍しくありません。
このように初期段階のむし歯は痛みを伴わないことが多いですが、放置すると我慢できないような痛みを引き起こす可能性が高くなります。
むし歯を予防するためには定期的な歯科検診で歯の状態を確認し、むし歯かもと思ったらすぐに歯科医院を受診することが大切です。
むし歯治療の基本
ここからは、むし歯治療の基本について紹介します。
1. 初期診断と評価
まずは歯科医師が口腔内を詳しく調べ、むし歯の進行状況に応じて、次の5つのステージに分類します。
・C0:初期段階のむし歯
・C1:エナメル質に浅めの穴ができている表層のむし歯
・C2:中間層にあたる象牙質まで進んだむし歯
・C3:歯髄(神経)に影響を及ぼしているむし歯
・C4:歯の頭部分が崩壊し歯の根、根尖部に達し末期状態にあるむし歯
むし歯のステージや全体的な口腔健康状態に基づいて最適な治療方法を決定し、治療を開始します。
2. 治療
むし歯の進行状況によって治療内容は異なります。それぞれの一般的な治療方法を紹介します。
C0:初期段階のむし歯
この段階では、まだ歯を削る必要はありません。これ以上むし歯が進行しないように、再石灰化を促進し、歯の抵抗力を高めるとされているフッ素を塗布します。
また、歯科医師や歯科衛生士から口腔衛生を徹底するためのブラッシング指導があるでしょう。
C1:表層のエナメル質に進んだ状態
この段階は、ドリルやエアーアブレージョンなどの器具でむし歯が進んだ部分を除去します。
その後、除去した部分にコンポジットレジンを埋めます。
この状態は自然治癒は難しいものの、むし歯の部分が小さいため、治療回数は1回程度です。
C2:象牙質まで進んだ状態
むし歯部分を除去し、コンポジットレジンを埋める、銀歯に代表されるインレー(詰め物)を詰めるなどの処理をします。
C1と比較してC2は範囲が広く、象牙質は痛みを感じやすいため、麻酔をして治療することが一般的です。
C3:歯髄(神経)に達しているむし歯
この段階では、神経を抜く根管治療を実施します。
根管治療は感染した神経と血管を取り除き、綺麗にしてからかぶせ物を被せます。
根管治療の際は痛みを最小限に抑えるために局所麻酔を使用し、治療後は必要に応じて痛みを緩和する薬が処方されます。
C4:末期状態のむし歯
保存治療が不可能または非実用的と判断された場合、抜歯が選択されることがあります。
歯を抜いた後、義歯やインプラントなどで歯が抜けた部分を補う治療が必要です。
抜歯は麻酔を使用するため、ほとんど痛みは感じませんが、麻酔の効果が切れると抜歯部位に痛みや腫れが生じることがあります。
また、歯を抜くことは精神的にも金銭的にも負担が大きくなります。この状態まで放置せず、痛みなどの症状がある場合は、できるだけ早く歯科医院に相談してください。
むし歯治療後のケア
治療後すぐは硬いものを噛むことを避け、充填物やかぶせ物が破損しないようになるべく柔らかい食事を選びましょう。
麻酔が切れるまで食事を控えるよう指示があった場合は、その指示に従ってください。
またむし歯を繰り返さないためにも、丁寧なブラッシングを心がけ、定期的な歯科検診を受けることが重要です。
口腔内の健康を長期にわたって保持するために、日頃からのケアを丁寧に行いましょう。
まとめ
いかがでしたか?
むし歯は早期に適切な治療を受ければ、治療も短期間で済みます。
もし「歯が痛い」と感じたら、早めに歯科医師に相談しましょう。
むし歯のリスクを減らすためには、日常のオーラルケアを大切にして、定期的な歯科検診の受診が不可欠です。正しい治療とケアにより、むし歯のない健康な状態を維持していきましょう。