むし歯の繰り返しを止めるためにはどうすればいいですか? blog

2022.06.15

むし歯は何度も起こる可能性があり、事実成人のむし歯の治療の多くは、再発によるものです。
このように、一度むし歯を治療した歯が再度むし歯になることを二次むし歯と呼び、
治療とむし歯を繰り返すことで、少しずつ歯が失われていってしまうのです。

そこで、ここでは二次むし歯を予防する方法について考えていきます。
もちろん、むし歯は予防することが大切ですが、
それでもむし歯になってしまった場合は治療して、再発しないように心がけましょう。

1. なぜ二次むし歯は起こるのか

そもそも、なぜむし歯は再発するのでしょうか。
むし歯治療で処置する人工物は、患部を細菌の感染から守るためのものです。
つまり、詰め物や被せ物によって、二次むし歯を予防しているのです。

それでも二次むし歯が起こるのは、人工物の接着が弱まり、隙間が生じてしまうことが原因です。
隙間が生じることで細菌が入り込み、患部が再びむし歯になってしまいます。
そして、人工物の接着が弱まる要因となるのが、寿命などによる人工物の劣化です。

2. 最初のむし歯を削らずに治す

「むし歯の治療法=歯を削る」というイメージを持つ人が多いですが、あくまでこれは一例です。
むし歯の治療法は常に同じではなく、むし歯の進行度によって変わります。
当然、むし歯が進行しているほど、歯を削る範囲が広く、そして深くなるでしょう。

ここで問題なのは、削った歯はエナメル質が失われ、非常に脆くなってしまうということです。
そう考えると、最初のむし歯はできるだけ削らずに治すことが大切です。
そのためには、むし歯を初期段階で治療する必要があります。

3. セラミックの人工物を使う

むし歯の治療で詰め物や被せ物を使用した時、素材にセラミックを選択することで、
二次むし歯を予防しやすくなります。セラミックは審美性の高さが特徴ですが、
それだけでなく、二次むし歯を予防しやすいメリットがあります。

これは素材の特徴が理由であり、セラミックは表面がツルツルしているため、汚れが付着しにくいのです。
さらに、セラミックは自由診療になるため、製作の工程においてサイズの誤差が生じにくく、しっかり接着します。
そのため「接着が剥がれる」「隙間が生じる」などの問題が起こりにくく、細菌の侵入を防いでくれるのです。

4. 定期検診を受ける

二次むし歯は見た目で発見するのが難しく、それは詰め物や被せ物で覆われているからです。
むし歯になれば患部は黒く変色しますし、進行すれば穴もあきます。
しかし、最初のむし歯で詰め物を使った場合、詰め物によって患部を見ることができません。

また、詰め物の劣化に気づくことも難しく、知らない間に劣化して、接着が弱まってしまうかもしれません。
このような事態を防ぐには、詰め物の異変に気づく必要があり、そこで有効なのが定期検診です。
詰め物の状態を医師に確認してもらうことで、二次むし歯を予防しやすくなるのです。

5. 詰め物や被せ物の周辺を磨く

中には、一度むし歯治療した歯は、もうむし歯にならないと思っている人もいるのではないでしょうか。
そう思っている人は、歯磨きの時に天然歯だけを磨いてしまっていないでしょうか。
そうすると、人工物の周辺に細菌が溜まり、わずかな隙間から患部に入り込んでしまうかもしれません。

そこで、詰め物や被せ物を使っている人は、その周辺もキレイに磨くようにしましょう。
例えば、人工物と天然歯の境目を綺麗に磨けば、人工物の周辺から細菌を除去することができます。
磨きにくいのであれば、デンタルフロスや歯間ブラシを使って対処できます。

6. 人工物の寿命

人工物の寿命には個人差がありますし、何よりケアの有無によって大きく変わります。
そこで、ある程度ケアができていることを前提に、一般的な寿命を考えてみます。
銀歯の場合、寿命は3~5年ほどが一般的です。

次にレジンの場合ですが、寿命は5年ほどが一般的です。
最後にセラミックの場合ですが、寿命は10年以上が一般的で、
人によっては15年や20年使用できているケースもあります。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、二次むし歯を予防する方法についてまとめます。

  1. なぜ二次むし歯は起こるのか :詰め物や被せ物の接着が弱まることで隙間が生じて、そこから細菌が入り込む
  2. 最初のむし歯を削らずに治す :削らずに治すことでエナメル質が失われず、歯が脆くならずにすむ
  3. セラミックの人工物を使う :セラミックは素材がツルツルしているため、プラークが付着しづらい
  4. 定期検診を受ける :人工物の劣化や二次むし歯の発症に気づくことができる
  5. 詰め物や被せ物の周辺を磨く :人工歯との境目をキレイにすることで、細菌の侵入を防ぎやすくなる
  6. 人工物の寿命 :一般的に銀歯は3~5年、レジンは5年、セラミックは10年以上

これらのことから、二次むし歯を予防する方法について分かります。
人工物で処置した後、その人工物についてはとくに何も考えない人もいるでしょうが、
その後は寿命を考える必要があり、一定年数が経過した後は交換が必要です。
人工物が劣化したまま使用し続けることで、二次むし歯が起こってしまいます。