虫歯になるリスクは人によって差があります。
つまり、虫歯になりやすい人もいれば、虫歯になりにくい人もいるということです。
注意が必要なのは、もちろん虫歯になりやすい人でしょう。
もっとも、虫歯になりやすい人でも予防歯科を大切すれば充分虫歯の予防は可能ですし、
例え虫歯になりにくい人でも予防を怠れば虫歯になってしまいます。
では、どのような人が虫歯になりやすいのでしょうか。
歯磨きの精度が低ければ、磨き残しが多くなって虫歯になりやすくなります。
誰もが毎日歯を磨いているでしょうが、歯を磨く精度は同じではありません。
磨き残しの多い人と少ない人とでは、虫歯になるリスクに大きな差が出るのです。
ちなみに、歯磨きの精度が低い理由はいくつか考えられますが、その一つとして歯並びの悪さが挙げられます。
歯並びが凸凹していれば歯が磨きにくく、汚れが溜まってしまう場所が出てきますからね。
その意味では、歯並びが悪い人も虫歯になりやすい人に含まれます。
糖は虫歯の原因菌にとってエネルギーとなり、糖を摂取することで多くの酸を出すようになります。
「甘いものを食べると虫歯になりやすい」というのは、糖が含まれていることが理由ですね。
当然、糖の摂取が多いとそれだけ虫歯になりやすくなります。
ちなみに、これは歯周病においても同様のことがいえます。
歯周病の原因菌も糖をエネルギーとするため、糖の摂取は虫歯だけでなく歯周病になるリスクも高めます。
摂取すること自体は問題ないですが、過剰な摂取は控えなければなりません。
唾液は口の中の細菌を流す役割を担っており、自浄作用によって酸性に傾いた口内環境を中和させています。
そのため、唾液の分泌量は虫歯のなりやすさに深く影響しており、
分泌量の低い人…つまり唾液の量が少ない人ほど虫歯になりやすいのです。
例えば、食事の時によく噛まない人は唾液の出る量が少なく、
口呼吸をしている人は口に乾燥した空気が取り込まれることで唾液が蒸発します。
また、適度に水分補給をしなければ唾液の分泌が抑制されてしまいます。
虫歯になるリスクは日常生活の中に潜んでおり、その中でもとくに深く関わるのが食生活です。
まず、ダラダラと時間をかけて食事する人は脱灰の時間が長くなり、再石灰化が追い付かなくなります。
さらに、間食が多い人は脱灰の頻度が高くなり、この場合もやはり再石灰化が追い付かなくなります。
また、食事の時によく噛まない人は唾液の分泌量が低下するため、口の中に細菌が残ってしまいます。
上記で解説したことも含めるなら、糖の摂取の多さも虫歯になるリスクにつながるでしょう。
他にも、栄養バランスを無視した食生活は、虫歯の原因菌に対する抵抗力を低下させてしまいます。
虫歯の原因菌は人から人に移動するため、家族に虫歯になっている人がいると、自分も虫歯になりやすくなります。
もっとも、虫歯の症状が直接移るわけではなく、移るのはあくまで原因菌のみであり、
例えば重度の虫歯の人が家族にいる場合、自分も重度の虫歯になってしまうわけではありません。
虫歯の原因菌の移動は唾液を介すことによって行われ、
同じ食器で食事したり回し飲みをしたりした時などに移動します。
そのため、自分だけ虫歯を予防していても、家族が虫歯になることで自分も虫歯になりやすくなってしまうのです。
虫歯には、再発を意味する二次虫歯と呼ばれるケースがあります。
これは、一度虫歯治療した歯が再度虫歯になることを意味する症状で、
二次虫歯は銀歯を使っている人に起こりやすい特徴があります。
銀歯はプラークが付着しやすく、さらに接着が弱くて劣化するのも早い素材です。
そのため、銀歯の接着が剥がれた場所から細菌が入り込んでしまうのです。
一方で、二次虫歯を予防しやすい素材となるのがセラミックになります。
いかがでしたか?
最後に、虫歯になりやすい人の特徴についてまとめます。
1. 歯磨きの精度が低い:磨き残しが多くなることで、虫歯になるリスクが高まる
2. 糖の摂取が多い:糖は虫歯の原因菌にとってエネルギーとなり、より多くの酸を出すようになる
3. 唾液の量が少ない:唾液の分泌量が低下することで、自浄作用が弱まり口の中で細菌が停滞しやすくなる
4. 食生活に問題がある:例えば、ダラダラ食いや頻度の高い間食、よく噛まないなどの行為が挙げられる
5. 家族が虫歯になっている:虫歯の原因菌は、唾液を介す行為によって人から人へと移動する
6. 銀歯を使っている(二次虫歯):銀歯は二次虫歯になりやすく、一方で虫歯になりにくいのがセラミック
これら6つのことから、虫歯になりやすい人の特徴について分かります。
虫歯になりやすい人には、虫歯になりやすい理由があります。
その理由に対して改善方法が見つかれば、虫歯を予防しやすくなるでしょう。
また、虫歯になりやすい人でも予防は可能ですし、定期検診を受ければ虫歯になった時も早期発見が可能です。