セラミックのメリットとデメリットをそれぞれ教えてください blog

2019.03.06

セラミックは陶材の一種で、被せ物や詰め物に使われる歯科材料です。
非常に審美性が高く、天然の歯に近い透明感と色調で、人工歯だと気づかれないほどです。メリットの多いセラミックを使った治療ですが、保険が適用とならないので、治療費が高額になってしまうというデメリットもあります。
今回は、セラミックのメリットとデメリットについて、それぞれ詳しく解説していきます。

セラミックのメリット

セラミックは、審美性の高い歯科材料です。セラミックのメリットには次の点が挙げられます。
・審美性が高い
・劣化しにくい
・金属アレルギーの原因にならない
・歯ぐきの着色の原因にならない
・表面に汚れがつきにくい
・精度が高く二次カリエスになりにくい
それぞれについて詳しくみて行きましょう。

審美性が高い

セラミックの最も大きなメリットと言えます。天然の歯に近い透明感とツヤ・色調を再現できるため、前歯に入れても、自然な仕上がりになります。
歯の色調や、歯の形状を細かく技工士に指定する事ができるため、ご自分の理想の歯を入れる事ができます。

劣化しにくい

セラミックは経年劣化が起こりにくい材料です。時間が経っても、ほとんど変色は見られません。見た目の美しさをずっと維持する事ができます。

金属アレルギーの原因にならない

セラミックは、体に優しいし歯科材料です。銀歯のように金属アレルギーの原因にならないので、安心して使用し続ける事ができます。
金属アレルギーは、金属が触れた部分にだけ起こるわけではありません。お口の中の銀歯の場合には、

歯ぐきの着色の原因にならない

銀歯の場合、溶け出した金属イオンが歯ぐきに沈着して、歯ぐきに着色を起こす事がありますが、セラミックはその心配がいりません。

表面に汚れがつきにくい

セラミックに表面は非常に滑らかで、表面に汚れがつきにくくなっています。人口歯なので、表面が虫歯になる事はありませんが、歯周病の原因になる事や、口臭の原因になる事があります。一方で、銀歯は表面に細かな傷ができやすく、表面汚れが溜まりやすくなります。

精度が高く二次カリエスになりにくい

セラミックは精密に型取りをして作製されるため、天然の歯質と人工部分がぴったりとくっついており、二次カリエス(一度治療をした箇所にできる虫歯)になりにくくなります。
特に、コンピューターで設計・作製する「CAD/CAM」を使って作るセラミックの補綴物は、精度が高く、ぴったりと歯に合います。

セラミックのデメリット

セラミックはメリットの多い材料ですが、デメリットも存在します。メリットとデメリットの両方を理解した上で、希望する治療法を選択する事が大切です。
セラミックのデメリットは主に次の2点です。
・保険が適用されない
・強い力が加わると割れてしまう事がある
それぞれについて詳しく解説します。

保険が適用されない

セラミックは、審美性を高めるために行う治療のため、保険が適用されません。全額自己負担の自費治療となるため、保険治療と比べると高額です。
歯の部位やセラミックの種類にもよりますが、スタンダートなものなら1本あたり8円〜12万円程度が相場です。強度があり審美性にも優れたジルコニアセラミックの場合は10万〜20万円程度とさらに高額になります。

・保険が適用されるケース
一定の条件を満たしている場合、保険が適用されるケースがあるので、紹介しておきます。
ハイブリッドセラミックという、歯科用プラスチックにセラミックを混ぜた素材を使ったCAD/CAM冠が一部、保険適用になります。ハイブリッドセラミックは、セラミックのみの素材と比べて、多少審美性は劣りますが、銀歯のように目立つ事はありません。
前から数えて4番目と5番目の歯の被せ物が適用となります。

強い力が加わると割れてしまう事がある

セラミックは陶材の一種です。陶器を落とすと割れてしまう事に想像できるように、強い力が加わると割れてしまう事があります。
噛み合わせが強い奥歯や、歯ぎしり等の癖がある場合には、内側が金属でできたセラミッククラウンや、強度があるジルコニアセラミッククラウンがおすすめです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。セラミックのメリットとデメリットについて最後にまとめたいと思います。

<セラミックのメリット>
・審美性が高い
・劣化しにくい
・金属アレルギーの原因にならない
・歯ぐきの着色の原因にならない
・表面に汚れがつきにくい
・精度が高く二次カリエスになりにくい

<セラミックのデメリット>
・保険が適用されない
・強い力が加わると割れてしまう事がある

強度のあるセラミックもあるので、費用が高額な事を除けば、非常にメリットが多い治療だと言えます。
見た目が良いだけでなく、機能的にも優れており、長期間健康な歯を維持しやすくなっているので、長い目で見て、治療を選択するのも良いのではないでしょうか。