歯周病は予防できる?歯周病予防における効果的な5つのステップを紹介 blog

2024.07.16

歯周病を予防

歯周病は、放置すると歯を失う原因となる病気です。しかし、日々のケアと適切な予防策を講じることで、歯周病を予防できます。

今回は、歯周病予防のための効果的な5つのステップを紹介します。健康な口腔環境の維持にお役立てください。

歯周病とは?

歯周病は歯を支える組織の炎症を引き起こし、最終的に歯の喪失に至る可能性がある病気です。歯周病は、プラークと呼ばれる細菌の塊が歯周ポケットに溜まることで起こります。放置されたプラークは歯石へと変化し、歯周組織のさらなる破壊を引き起こします。

初期段階の歯肉炎は、歯磨き時の出血や歯茎の腫れが特徴です。進行すると歯周炎となり、口臭や歯の動揺が目立つようになります。最終的には、歯がグラグラして抜け落ちる恐れがあります。

歯周病は自覚症状がほとんどないため、定期的な歯科検診による早期発見と治療が重要です。歯の健康を長く維持するために、日ごろのケアで歯周病予防を意識しましょう。

歯周病予防の5つのステップ

以下に、効果的な歯周病予防のための5つのステップを紹介します。

  • 正しい歯磨き
  • デンタルフロスやマウスウォッシュの活用
  • 食生活の改善
  • 生活習慣の見直し
  • 定期的な歯科検診

正しい歯磨き

正しい歯磨きにより口腔内のプラークを除去し、細菌の繁殖を防ぎます。歯ブラシを小刻みに動かし、歯垢の溜まりやすい歯周ポケットを意識して磨いてください。

朝晩2回、5分間の歯磨きを推奨します。また、電動歯ブラシを使用することで、手磨きよりも効果的にプラークを除去できるでしょう。

デンタルフロスやマウスウォッシュの活用

歯ブラシだけでは届かない歯と歯の間の隙間にプラークが溜まりやすいので、デンタルフロスを使ってこまめに除去します。正しい使い方は、フロスを20~30cm程度取り指に巻きつけて、歯と歯の間を滑らせるよう入れ、しっかりと歯に沿わせて前後に動かしてください。

あわせて殺菌や消炎作用のあるマウスウォッシュで、歯ブラシやフロスだけでは落ちきれない細菌をしっかり除菌しましょう。

食生活の改善

口腔内の健康は食生活とも深く関わっているため、栄養素の豊富な食品を選び、砂糖が多く含まれていたり酸性の飲食物の摂取を控えることが大切です。

プラークは糖質を栄養源にして増殖するため、糖質の多い食事を頻繁に摂取すると歯周病になるリスクが高まります。また、炭酸飲料や柑橘類のジュースといった酸性の飲食物は歯のエナメル質を溶かし、歯が弱くなることで虫歯になりやすくなるだけでなく、糖質が多く含まれているものもあり歯周病の観点からも注意が必要です。

一方、カルシウムは歯や骨の健康に欠かせない栄養素であり、歯周病予防に役立ちます。牛乳、ヨーグルト、チーズ、豆腐、アーモンドなどのカルシウムを豊富に含む食品を積極的に摂取しましょう。

歯周病は炎症性疾患のため、ビタミンCやビタミンEなどの抗酸化物質を摂取すると歯周組織の炎症予防が期待できます。日々の食生活に柑橘類、キウイ、ブロッコリー、ナッツ類、アボカド、植物油などを取り入れたり、栄養バランスのとれた食事を心がけるようにしましょう。
毎月ご紹介している食育レシピもご活用ください。
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生活習慣の見直し

歯周病予防には生活習慣の見直しも重要です。睡眠不足、ストレス、喫煙などの生活習慣は、歯周病の発症や悪化に影響を与えることがわかっています。

歯周病は炎症性疾患であるため、睡眠不足やストレスなどの要因によって免疫力が低下すると、歯周組織の炎症が悪化しやすくなります。十分な睡眠をとり、ストレスをため込みすぎないようにしましょう。

さらに喫煙は歯茎への血流を悪化させ、免疫力を低下させるため、歯周病のリスクを大幅に高めます。禁煙外来やニコチンパッチなどを利用して禁煙に取り組むことがおすすめです。

また運動は全身の健康を向上させ、免疫力強化につながるため、週に3~5回、30分程度の運動を心がけましょう。

定期的な歯科検診

歯周病は初期段階ではほとんど気づくことがありません。歯科検診において歯周ポケットの深さを測定し歯周病の進行度をチェックすることで歯周病を初期の段階で発見し、適切な治療によって改善することも可能です。

定期的なクリーニングによりプラークや歯石を除去することで歯周病のリスクが減少するだけでなく、定期検診では歯磨きの方法や生活習慣改善のためのアドバイスを聞くこともできます。

自身では気づきにくい歯周病の症状を早期発見・対処するためにも、半年に一度は検診を受けるようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか?
歯周病は、日本人の8割が罹患しているというデータのある国民病ともいえる病気です。放置すると歯を失うだけでなく、糖尿病や心疾患などの全身疾患のリスクを高めることもかっています。
(出典:歯周病の症状を主訴として来院した者の実態調査)

今回紹介した予防策を日常生活に取り入れることで、歯周病のリスクを減らし、健康な歯と歯茎を維持できます。日々のケアと定期的な歯科検診を欠かさず、健やかな口腔環境を守りましょう。