歯周病にならないためにできることは何ですか? blog
2023.12.15
歯周病は、歯を失う原因となる恐ろしい疾患です。しかし成人した日本人の多くが歯周病に悩まされているため、国民病と呼ばれることもあります。
歯周病にならないために、できることはどのようなものでしょうか。今回は、歯周病予防についてお話したいと思います。
そもそも歯周病とは?
歯周病とは感染性炎症性疾患のことで、歯と歯茎のすきまの溝に汚れがたまり、歯茎の内側で炎症が起きます。
進行すると歯の周りにある骨を溶かして、歯が前後に動くようになります。さらに進むと、強い痛みや大きな歯のぐらつきを感じて、食事が難しくなるかもしれません。最悪の場合は、歯が抜けてしまいます。
そのような歯周病ですが、厚生労働省が2005年と2011年に行った歯科疾患実態調査では、日本人成人の80%近くがすでにかかっている、もしくはかかる可能性があると報告されています。
また大人だけでなく、子供も歯周病になる可能性があります。子供の歯周病の多くは歯茎だけが炎症を起こす「歯肉炎」と呼ばれる状態です。
深刻な状態にならないことも多いですが、歯茎の腫れがなかなか収まらずに大変な思いをする子供もいます。
歯周病は自分や家族には関係ないと思わずに、丁寧な歯周病の予防を行うことが大切です。
歯周病にならないためにできること
歯周病にならないためにできることは、3つあります。
- 生活習慣の見直し
- 正しい歯磨き
- 歯科医院での定期的なチェック
それぞれ解説します。
生活習慣の見直し
まずは、生活習慣を見直しましょう。歯周病は、免疫が低下していると感染しやすくなります。
疲れやストレスを感じている人は、規則正しい生活や十分な睡眠をこころがけましょう。ストレスは歯ぎしりや食いしばりの原因となり、歯周病の進行を促すこともあります。
またバランスのよい食事も大切です。免疫を高めるようなピーマン、じゃがいも、食物繊維の多い人参や牛蒡などがおすすめです。バランスよく食べることに加えて、毎日の食事の時間を決めたり、間食の回数を減らしましょう。またお菓子には、砂糖が少ないものを選ぶこともポイントです。
喫煙や飲酒をする人は、歯周病に効くといわれているビタミンCを破壊する恐れがあります。タバコやお酒はほどほどにして、なるべく控えるようにしましょう。
正しい歯磨き
正しい歯磨きは、歯周病の原因となる細菌の数を減らす効果が期待できます。そのため、毎日の歯磨きが歯周病予防につながります。ただし歯磨きが不十分の場合、毎日歯磨きしていても歯周病になってしまうかもしれません。
そのため、この機会にブラッシングについて見直してみましょう。
・歯ブラシについて
歯ブラシは、歯の裏側や奥歯の奥の部分にある歯垢を落としやすい小さめのヘッドがおすすめです。
毛先の開いている歯ブラシは歯垢を落としにくくなるため、1ヶ月に1度ペースで交換します。歯ブラシだけでは届きにくい部分は、デンタルフロスや歯間ブラシを活用する方法もあります。
・ブラッシングについて
ブラッシングの際、歯ブラシを強く当てる必要はありません。鉛筆を持つような持ち方をすると力の入れすぎを防ぎ、汚れ落としやすいです。
歯と歯茎の間を意識して、ブラシの先を細かく横に振動させるようにして磨いていきましょう。歯の隅々までブラッシングすることを意識してみてください。
ブラッシングのやり方に自信のない人は、ドクターまたは歯科衛生士に相談してみましょう。歯科医院では、歯垢染色剤を利用して磨き残しを確認したり、磨き残しの部分が多い場合は適切なブラッシングができていない可能性があるため、歯磨き指導を受けて磨き方を改善しましょう。
歯科医院での定期的なチェック
歯周病を予防するためにも、定期的に歯科医院でチェックを受けましょう。歯科医院では、専門の器材を使って、ブラッシングだけではとれない歯垢と歯石の除去を行います。
また日頃の習慣についてドクターに相談すると、歯周病になりにくい生活のアドバイスがもらえます。気をつけるべき習慣が分かれば、予防もしやすいものです。
さらに初期の歯周病は静かに進行するため、自覚症状はありません。ある程度進行しないと、気が付かない人もいます。そのため定期的に歯科医院に通うことで、万が一歯周病にかかっていても早い段階で対応できます。大人であれば3~6か月、子供は3~4か月に1回の頻度で、歯の定期健診を受けることが望ましいでしょう。
まとめ
今回は、歯周病にならないためにできることを解説しました。歯周病は、誰もがかかる可能性のある疾患といえます。そのため、普段の生活から歯周病になりにくい生活習慣を作るようにしましょう。
具体的には適切なブラッシング、間食や喫煙習慣の見直しなど、セルフケアが大切です。また定期的に歯科医院に足を運び、プロによる歯垢と歯石の除去を受けると歯周病予防につながります。ドクターに相談して、歯周病になりにくい生活のアドバイスをもらい、実行することもおすすめです。
歯科医院が久しぶりという人も、自分の歯の健康を守るために、ぜひ足を運んでみてください。