こんにちは。蒲田の菊地歯科医院、歯科助手の宮川です。
皆さまは、オーラルフレイルという言葉を聞いたことがありますか?
オーラルは「口の」、フレイルとは「虚弱」という言葉を指します。このことからもわかるように、オーラルフレイルとは、お口の持つ様々な機能(役割)が衰えてしまい、何かしらの不具合が生じてしまっている状態を意味します。
年齢を重ねるにつれ、口腔機能は低下していくといわれていますが、このフレイルの状態は機能低下の過渡期であって、すぐに悪化したり、治らないものではありません。つまり、オーラルフレイルに至ったとしても、口腔機能の低下は予防・改善が可能であるということです。
そこで今回は、口腔機能の低下を防ぎ、心身ともにより良い生活を送ることができるよう、予防の観点からお話させていただけたらと思います。
口腔機能の低下は、身体だけでなく精神へも様々な影響を及ぼすといわれています。
以下、まとめてある項目に多く当てはまる人は、特に注意が必要です。
→咀嚼・嚥下機能、表情筋の低下が徐々にみられるようになる。。。
→社会的な交流の機会が減少してしまう。。。
オーラルフレイルの状態を把握し、それを改善するためには、まず歯医者へ通うことがとても大切なことになります。
それに加え、一日少しの時間だけでも、ご自身で口腔体操を行うことがオーラルフレイルを予防・改善するために非常に重要なこととなります。今回は物を使わず、手軽にできるおすすめの口腔体操を2つご紹介させていただきます。
「パタカラ」という単語をそれぞれのポイントを押さえながら意識的に声に出すことで、咀嚼や飲み込み、また発音をよくするために有効的な体操です。発音する際のポイントは、以下のとおりです。
パ…破裂音のように唇を強く締めて発音します。(食べこぼしの防止)
タ…舌を上顎にしっかりとくっつけて発音します。(食べ物を舌でつぶす動作)
カ…喉から歯切れよく出来るだけ短く発音します。(誤嚥の防止)
ラ…しっかりと舌を丸めて発音します。(食べ物を舌で丸める動作)
→少し大げさなくらい意識的に行うことで、より高い効果を得ることができます。
これらを単体で3回ずつ(パパパ、タタタ…)繰り返し、すべて言い終えたら繋げて3回(パタカラ、パタカラ…)を3セット繰り返して発音していきます。それぞれの語がつく単語(例:「パ」イナップル、「タ」ヌキ、「カ」メレオン、「ラ」ンドセル…等)を考え、発音することで脳トレにも繋げることができるおすすめの体操です。
表情筋を向上させ、食べこぼしを少なくしたり、笑顔などの表情を作りやすくしたりするために効果的な体操です。
これらの体操ですが、やってみると意外に大変と感じる方も多いと思います。
それだけに、いつも無意識で行ってしまっている動作を意識化し、習慣的にお口周りの筋肉を動かすことは重要であるということがわかります。
今回ご紹介させていただいた体操のほかにも、口腔機能を維持・向上させるための体操はたくさんありますので、より良い生活をいつまでも続けられるように、ぜひ積極的に行ってみてください。