矯正したのにまた歯並びが悪くなった気がする!?歯並びが元に戻る「後戻り」の原因や対策方法を解説! blog
2025.04.14
「キレイな歯並びに憧れて矯正治療をしたのに、なんだか最近また歯並びが悪くなってきた気がする…」
もしかして、それは後戻りかもしれません。
後戻りとは、矯正治療でせっかく整えた歯並びが、元の状態に戻ってしまうことを言います。
「せっかく時間もお金もかけて矯正したのに、また歯並びが悪くなるなんて…」
そう思うと、とても悲しいですよね。
後戻りの原因や対策方法をしっかり知っておけば、歯並びの悪化を防ぎ、美しい歯並びをキープすることができます。
この記事では、後戻りの原因から具体的な対策方法、そして万が一後戻りしてしまった場合の対処法まで、詳しく解説していきます。
矯正治療後に歯並びが元に戻ってしまう「後戻り」とは?
矯正治療で歯並びを整えた後、保定期間という歯を安定させるための期間に入ります。
この期間は、歯の周りの組織がまだ安定していないため、歯が元の位置に戻ろうとする力が働きます。
そのため、リテーナーという歯を固定する装置を使って、歯が後戻りしないように支える必要があるのです。
保定期間は動的治療期間(矯正にかかった期間)と同じくらいの期間になるのが一般的です。
動的治療に2年間かかったのなら、保定期間も2年間程度です。
もし、この保定期間にリテーナーの使用を怠ってしまうと、歯が元の位置に戻ろうとする力に負けて、歯並びが後戻りしてしまう可能性が高くなります。
歯が後戻りする主な原因
歯が後戻りする原因は、主に以下のものが挙げられます。
リテーナーの装着時間不足
後戻りを起こす原因の中で最も多いといわれているのが、リテーナーの装着時間不足です。前述したとおり、動的治療の完了直後はとくに歯が動きやすい状態なので、リテーナーの装着時間が足りないと、高確率で後戻りを起こします。
動的治療期間が終わると「歯並びが改善されたからもう大丈夫」と思ってしまうかもしれませんが、保定期間が終わらないと矯正治療が終わったとはいえません。
リテーナーが破損している
リテーナーを正しく使用していても、リテーナー自体が欠けたり割れたりしていると歯並びを保定する力が弱くなり、後戻りが起きるリスクが上がります。
リテーナーが破損した場合は、すぐに歯科医院を受診して修復してもらいましょう。
舌や口周りの癖
舌や口周りに関する癖も、後戻りの原因になることがあります。子どもの場合は指しゃぶりや爪を噛む癖など、大人の場合は口呼吸、舌で歯を押す癖、片方の歯でのみ噛む癖などです。
さらに、頬杖をついたりうつぶせで寝たりなどの習慣も歯に過剰な力がかかるため、後戻りの原因になると考えられています。
矯正治療後に成長した
小児の矯正治療の場合、矯正治療終了後に顎の骨格などが成長することで、歯並びが再度乱れることがあります。
多くの場合、成長を見越して治療計画を立てたり、成長が止まってから矯正治療を終了したりなどの対策が取られますが、想定外の著しい成長が見られた場合は、一度担当の歯科医師に相談をしてみるといいでしょう。
治療計画に問題があった
もともとの治療計画に問題があり、歯を無理やり動かしたり歯を支えている骨からはみ出す形で並べてしまったりなどをすると、歯並びが安定せず後戻りしやすくなります。
例えば、顎の骨を切るなどの外科手術が必要な症例で手術をせず、歯の移動だけで歯並びを整えようとしたり、一般的には抜歯が必要な症例にも関わらず非抜歯で進めたりなどです。
ただ、外科手術や抜歯にもデメリットがあり、どちらがいいか一概には言えないため、担当の歯科医師とよく話し合うことが大切です。
歯の後戻りを改善するには?
矯正治療後に後戻りが起きてしまうと、残念ながら自力で改善することはできません。
焦って指で歯を無理やり押すなどの方法をとると、歯を痛めたりさらに歯並びが悪化したりするリスクがあります。
早期の後戻りならリテーナーの調整などで改善することができますが、そうでない場合は再度治療を行う必要があります。
また、歯に少し隙間ができた程度であれば、矯正治療を行うことなく以下の方法で改善することが可能です。
- 白く丈夫な素材「セラミック」の板を歯の表面に貼り付ける「ラミネートベニア」
- セラミックと歯科用プラスチック「レジン」を混ぜ合わせた強化プラスチックを接着する「ダイレクトボンディング」
- 白い被せ物を装着する
ただ、これらの方法はすべて健康な歯を少し削る必要があるため、歯並びを根本的に治したい場合は再度矯正治療を行うしかありません。
まとめ
矯正治療で手に入れた美しい歯並びを維持するためには、後戻り対策が非常に重要です。
時間とお金をかけて整えた歯並びを維持するためにも、リテーナーの着用や口腔内のケアをしっかり行い、後戻りの兆候があれば早めに歯科医院を受診するようにしましょう。