歯茎の色が気になる!その原因と改善方法とは? blog

2025.05.16

鏡を見て、「あれ?歯茎が黒ずんでる…」「健康的に見えない…」と感じたことはありませんか?
歯茎は歯ほど目立つ部分ではありませんが、変色していると、どうしても気になってしまいますよね。
今回は、歯茎が変色する原因と、その改善方法について詳しく解説します。歯茎の変色でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

健康な歯茎ってどんな色?

そもそも歯茎とは、歯の周りを覆っている肉の部分のことで、「歯肉」とも呼ばれます。
歯茎は歯にぴったりと密着することで、体内に細菌が侵入するのを防いだり、噛み合わせた際の衝撃を吸収したりする重要な役割を担っています。

健康な歯茎の状態とは?

歯茎の色は、わたしたちのお口の健康状態を映し出すバロメーターなのをご存じでしょうか。
ここでは、健康な歯茎の状態について解説します。

  • 色はピンクがかった赤色
    健康な歯茎はピンクがかった赤色をしています。紫色や黒ずんでいると、口腔内環境は悪化していると言えるでしょう。
  • 形は歯と歯の間が丸みのない三角形
    歯と歯の間の歯茎は、尖った三角形であることが理想とされています。
  • 引き締まっている
    歯茎を指先で触れた際に適度な硬さがあり、しっかりと引き締まっていれば良好な状態と言えるでしょう。
  • スティップリングが見られる
    歯茎の約60%はコラーゲンで構成されており、そのコラーゲンの状態が良好であれば表面にぷつぷつとした細かいくぼみが見られます。このくぼみは「スティップリング」と呼ばれ、健康な歯茎に見られる特徴のひとつです。
  • 歯垢や歯石が付着していない
    口腔内の衛生状態が悪いと、歯と歯茎の境目には歯垢や歯石が付着します。歯垢や歯石が付着したままだと歯茎が炎症を起こす可能性があります。
  • 歯茎が下がっていない
    不健康な歯茎では、歯肉退縮が起こることがあります。歯肉退縮とは歯の周りの組織がすり減り、歯根が露出した状態のことです。歯茎が下がると歯が長く見えることがあるでしょう。
  • 出血していない
    歯茎が不健康な場合、歯間ブラシやデンタルフロスを使用した際に出血する可能性があります。歯茎が健康であれば出血することはありません。

歯茎が変色する原因は?

なぜ歯茎は変色するのでしょうか。ここでは、歯茎が変色する主な原因を5つにしぼってお伝えします。

1.金属の差し歯・詰め物・被せ物によるもの

口の中に金属の差し歯や詰め物、被せ物があると金属イオンが唾液に溶け出し、歯茎が黒色や紫色になることがあります。この現象を「メタルタトゥー」と呼びます。
また、金属アレルギーの影響で歯茎にメラニン色素が増加し、黒ずむこともあります。

2.歯周病

歯の周囲に歯垢が付着したままだと歯茎が炎症を起こします。この炎症が歯茎のみにとどまっている「歯肉炎」の段階であれば、歯茎は赤っぽく変色します。
しかし歯を支える骨が溶けるほど歯肉炎が進行して「歯周病」になると、歯茎は赤紫や赤黒く変化していきます。

3.メラニン色素沈着

メラニン色素の沈着も、歯茎が黒くなる主な原因のひとつです。
とくにタバコに含まれているニコチンやタールなどの成分が歯茎に沈着すると、歯茎が黒・茶色に変色します。
また、生まれつき歯茎の色が黒っぽい方もいます。

4.歯自体の変色によるもの

虫歯やケガなどで歯の神経が死んでしまうと、歯茎まで黒ずんで見えることがあります。
歯列矯正中の内出血も、歯茎の変色の原因となります。

5.歯茎のできものや傷

歯茎にできものや傷のようなものがあると、白く変色することがあります。
その理由はさまざまですが、以下の3つが考えられます。

フィステル:
歯茎全体の色が変わっているのではなくニキビのようなものができ、そこから白い膿が出ている場合は「フィステル」の可能性が高いです。フィステルは、なんらかの原因で歯根の先に炎症が起こり、膿が溜まることで生じます。

骨隆起:
顎の骨が変形した状態である「骨隆起」が、歯茎にできた白いできもののように見えることがあるでしょう。骨隆起は歯ぎしりや食いしばりによって顎の骨に強い力が加わると、骨の一部がデコボコとした形になります。

白板症:
歯茎が白く見える中でもとくに注意していただきたいのが、「白板症」という病変です。白板症は歯茎や舌、頬などの粘膜に生じ、ガンになる可能性があります。
口の中の粘膜にこすっても剥がれない白い部分がある際は、痛みがなくても早めに歯科医師にご相談ください。

歯茎の変色を改善するには?

歯茎の変色は自然に改善されることはほとんどないため、歯科医院を受診する必要があります。
では、歯科医院ではどのような治療を受けるのでしょうか。

ガムピーリング

メラニン色素によって黒ずんだ歯茎は、ガムピーリングによって改善できます。ガムピーリングには以下の2種類の方法があります。

ケミカルピーリング:歯茎に薬剤を塗布して色素沈着した部分の粘膜を剝がしていく方法です。治療時間は1回10分と、短時間で完了します。

レーザーガムピーリング:色素沈着した部分にレーザー光を照射する方法です。短時間の施術で痛みも少なく済みます。

どちらの方法も2週間に1回、1~3回程度の施術が一般的です。変色の程度や個人差はありますが、1回の治療で歯茎がきれいなピンク色に戻るケースもあります。

詰め物や被せ物を交換する

金属の修復物が原因で歯茎が黒ずんでしまった場合、歯茎の色を改善してもまた変色を繰り返すおそれがあります。
この場合、金属を使用しないジルコニアやセラミック、e-maxなどの素材に交換することで、根本的な解決が期待できます。

専門的なメンテナンスを受ける

歯茎の黒ずみが歯周病によるものであれば、歯磨きだけでは改善が難しいため、歯科医院での専門的なメンテナンスが必要です。
歯ブラシだけでは落としきれない歯垢や歯石を取り除くことで、歯周病も徐々に改善し歯茎の変色も落ち着くでしょう。

歯茎の変色を防ぐには?

歯茎の色を悪化させないために、自宅でできるケア方法をご紹介します。

正しいブラッシング

口腔内を清潔に保つには、適切な方法でブラッシングすることが重要です。
歯磨きは、歯と歯茎の境目にしっかりと歯ブラシの先が当たるようにし、小刻みに動かして磨きましょう。また、歯間ブラシやデンタルフロスを併用することもおすすめです。

歯茎のマッサージ

歯磨きの際、歯ブラシの毛先で歯茎を優しく円を描くようにマッサージすると血行が促進され、歯茎の健康維持の効果に期待できます。また、指で歯茎を直接マッサージするのもよいでしょう。

喫煙を控える

喫煙は歯茎の血流を悪化させ、色素沈着の原因となります。タバコを吸っている限り歯茎の色が改善することはないため、できる限り禁煙をして歯茎の健康維持に努めてください。

口呼吸を治す

口呼吸になってしまう原因はさまざまありますが、癖になっている方も少なくありません。
歯茎の変色を落ち着かせるためにも鼻呼吸を意識しましょう。

食生活を見直す

歯茎の健康に欠かせない栄養素であるビタミンCを摂取するのもおすすめです。
また、歯と歯茎を支える骨の健康に必要不可欠なカルシウムやビタミンDも多く取るように心がけてください。

まとめ

今回のコラムでは、健康な歯茎の状態や歯茎が変色する原因、変色の改善法について解説しました。
歯茎の変色は見た目に影響を与えるだけでなく、口腔内の健康状態を示すサインでもあります。
歯茎の変色が気になる場合は、原因に応じた適切な治療が必要であるため、まずは歯科医院で診察を受けましょう。