70代女性 転倒で脱臼と骨折が起きた上前歯をジルコニアセラミクス連結補綴で治療した症例Case
2026.07.21
治療前
治療後
治療中/その他
| 年齢・性別 | 70代女性 |
|---|---|
| 相談内容 | 「転倒して顔面を強打した。前歯の歯茎から血が出ていているし、歯が折れてグラグラと揺れているので診てほしい」とご相談いただきました。 |
| カウンセリング・診断結果 | 拝見したところ、上前歯の歯茎からの出血、歯の欠け、ぐらつきが見られました。 レントゲン撮影をしてさらに詳しく検査をした結果、上左右前歯2本(中切歯)は、強い衝撃によって歯が本来の位置からずれた「脱臼」の状態です。 さらに歯を支える歯槽骨にも、ひびや骨折が認められました。 このまま放置すると、歯がさらにぐらついて抜け落ちてしまうリスクがあります。 また、外傷の影響で傷ついた歯の神経が死んでしまう「歯髄壊死」を引き起こすおそれもあります。 以上のことから、上前歯を可能な限り残しつつ、噛む機能と見た目を回復させるための治療が必要だと診断しました。 |
| 行ったご提案・治療内容 | 診断結果をもとに、まずはずれた歯を元の位置に戻す処置を行い、歯科用接着材(レジン系セメント)で一時的に隣の歯と固定して骨と歯茎の治療を行う方針を説明し、同意いただきました。 そのうえで、最終的な歯の修復方法として、以下の2つを提案しています。 ①ジルコニアセラミクスによる連結補綴 骨折部分の治癒および歯のぐらつきが改善したら、上左右前歯2本を連結した白い被せ物(ジルコニアセラミクス)で修復する方法です。 メリット:見た目が自然で、強度に優れている。歯を連結することで、噛み合わせの安定が期待できる デメリット:歯を削る必要がある。自費診療なので費用負担が大きくなる ②コンポジットレジン修復 歯科用樹脂(コンポジットレジン)を用いて、欠けた部分を修復する方法です。 メリット: 歯を削る量を抑えながら、比較的短期間で修復が終わる デメリット: 経過とともに変色したり破損したりするリスクがある。見た目の回復に限界がある それぞれのメリットとデメリットをお伝えしたところ、患者様は「できるだけ元の状態に戻したい」との希望から、①のジルコニアセラミクスによる連結補綴を選択されました。 まず局所麻酔を行い、脱臼した歯を元の位置に戻す処置「徒手整復」を慎重に行います。 その後、レジン系セメントを用いて隣接する歯に固定し、骨や周囲組織の治癒を待ちました。 しかし、経過観察中に左上前歯の神経が死んでしまったため、歯根の治療を行っています。 2ヶ月後に歯の固定を除去したところわずかな揺れが残っており、患者様から「前歯で噛むことに不安がある」との申し出があったため治療計画を再検討し、上前歯4本に連結した被せ物を装着する方法を提案しました。 この方法なら、もともとの計画よりも歯がより安定する可能性が高まります。 費用負担の増加を懸念されていましたが、患者様は「しっかり噛める状態を優先したい」とのことから、上前歯4本をジルコニアセラミクスで連結固定する方針に同意いただき、治療を再開しました。 麻酔薬「キシロカイン」を用い、局所麻酔下で上前歯4本の形を整え、治療用の仮歯「プロビジョナルレストレーション」を装着します。 仮歯の状態で、噛み合わせや歯の形を患者様と確認しながら調整を重ね、「シリコーン印象材」を用いて精密な型取り「精密印象」を行いました。 2週間後、技工所で作製したジルコニアセラミクスクラウンを装着し、噛み合わせや見た目に問題がないことを確認して、治療を終了しています。 |
| 治療期間 | 3ヶ月 13回 |
| おおよその費用 | 約580,000円 |
| 治療のリスク | ・装着に際し、天然歯を削る場合があります ・硬い素材の場合、他の天然歯を傷つけることがあります ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります ・まれに根管治療後も再治療、外科手術、抜歯などの処置が必要となる場合があります ・治療中や治療後に不快症状が出たり、治療後に痛みや腫れなどが生じたりする可能性があります ・一部の治療を除き、自費診療(保険適用外治療)です |

