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60代女性 針金が目立つ入れ歯を見た目と装着感が自然な入れ歯に作り直した症例Case

2025.02.08

治療前

治療後

年齢・性別 60代女性
相談内容 「以前、上顎に保険診療の入れ歯を作ったが、針金が目立つうえに入れ歯の厚みが気になって使うことができなかった。ほかの治療方法がないのかどうかを知りたくて受診した」とご相談いただきました。
カウンセリング・診断結果 拝見したところ、右上の奥歯(第1大臼歯)と左上奥歯(第2小臼歯、第1大臼歯)が欠損していました。

失った歯を補う方法は複数あるので、どういった治療方法が可能なのかを調べるために、レントゲン撮影と歯茎の炎症や歯を支える骨の状態を確認する「歯周病検査」を行いましたが、骨や歯茎に異常はありませんでした。
しかし、銀の詰め物や被せ物が装着されている右上の歯3本と左上の歯1本には、虫歯が認められます。

入れ歯を使用しないまま長期間過ごすと、欠損部の隙間から息が漏れて発音障害が起きたり、欠損部の周囲にある歯が隙間に向かって倒れ込み、歯並びが悪くなったりするおそれがあります。

以上のことから、周囲の歯を守りつつ、奥歯でしっかりと噛めるようにするためにも、以前とは違う方法で欠損部を補う必要があると診断しました。
行ったご提案・治療内容 骨や歯茎の状態がよいため、以下3つの治療方法から選択できることをお伝えしました。

①ブリッジ
欠損部の両隣にある歯を削って土台にし、連結した被せ物を装着する方法です。
装着後の違和感は少ないものの、健康な歯を多く削る必要があります。また、欠損した歯にかかるはずの噛む力が土台の歯に分散することで、それらの歯に負担が集中しやすくなる点もデメリットです。

②インプラント
欠損部に人工歯根を埋入し、その上から人工歯を装着する方法です。
周囲の歯を削ることなく、ご自身の歯と同じように食事や清掃ができます。しかし外科手術が必要なので、治療期間が比較的長めです。

③ノンクラスプデンチャー
自費診療の入れ歯です。
強度がやや低いものの、機能的には保険診療の入れ歯と同等で、固定するバネに歯茎と同じ色の樹脂を使用しているため、目立ちにくいのがメリットです。

それぞれの治療について詳しく説明したところ、患者様は「できるだけ健康な歯を削ったり負担をかけたりしないような方法がいい。また、手術のような処置も避けたい」との理由から、ノンクラスプデンチャーを選択されました。

ノンクラスプデンチャーを製作するにあたり、まずは虫歯が生じている4本の歯の治療を行います。
虫歯を除去したあとは、耐久性に優れ自然な白さを再現できる素材「セラミック」で詰め物や被せ物を製作し、それぞれの歯に装着しました。

次に、ノンクラスプデンチャーを作るための型取りを行います。
入れ歯の使用感を向上させるため、上顎に当たる部分にはチタンを用いた「金属床」を採用し、厚みが極力薄くなるよう設計しました。

最後に、約1ヶ月間かけて噛み合わせや見た目などの調整を行い、問題がないことを確認して治療を終了しています。
治療期間 約5ヶ月
おおよその費用 約650,000円
(セラミック、ノンクラスプデンチャー)
治療のリスク ・セラミックの装着に際し、天然歯を削る場合があります
・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります
・着脱式のため、食後の清掃が必要です
・最初のうちは異物感があり、慣れるまで時間がかかる場合があります
・慣れるまでは、入れ歯の裏側の粘膜に傷ができる場合があります