50代女性 デコボコに生えている上下前歯をマウスピース型矯正装置で改善した症例Case

2025.08.01

治療前

治療後

治療中/その他

年齢・性別 50代女性
相談内容 「上下の前歯がずれていて、唇が閉じにくいのが気になる」とご相談いただきました。
カウンセリング・診断結果 拝見したところ、上下前歯の中心が一致せず左右にずれが見られたうえ、歯が並ぶスペースが足りずにデコボコに生えている状態でした。

このまま放置すると見た目に悪影響が出るだけでなく、噛み合わせが偏って顎や筋肉に負担がかかったり、歯磨きがしにくいことで虫歯や歯周病のリスクが高まったりするおそれがあります。

以上のことから、噛み合わせを改善する治療が必要だと診断しました。
行ったご提案・治療内容 患者様は、マウスピース型矯正装置「インビザライン」での治療を希望されていました。
インビザラインとは、透明なマウスピース「アライナー」を定期的に交換しながら、歯を徐々に移動させる矯正方法です。

メリット
・装置が透明で目立ちにくい
・取り外しが可能なので、食事や歯磨きなど日常生活への支障が少ない

デメリット
・装着時間の厳守や装置の保管など、患者様の自己管理が不可欠になる
・軽度から中等度の症例には対応できるものの、複雑な症例には不向きである

まずはインビザラインを開発しているアライン・テクノロジー社製の光学印象機器「iTero(アイテロ)」を使用して口腔内をスキャンし、歯型をデジタルで採取します。
採取したデータをもとに、矯正時の歯の動きを3Dでシミュレーションできるクリンチェックで作成したシミュレーション画像を患者様に見ていただきました。

シミュレーション結果をもとに、インビザラインのメリットとデメリットなどをお伝えしたところ、患者様は当初の希望通りインビザラインでの治療を選択されています。

ただ、治療前にレントゲン撮影をして検査をしたところ、右下1本、左上2本、左下1本、計4本の奥歯の根の先に根尖(こんせん)部透過像が認められました。
これは、歯根の先に感染のおそれがあることを示しているものなので、矯正治療を始める前に根の中の感染部分を取り除く感染根管処置を行いました。

歯根の治療後は、精密に作製した仮歯「プロビジョナルレストレーション」を装着し、再度iTeroを使って歯型をデジタルで採取します。
そのデータをもとに、クリンチェックで歯の動きや治療の流れを再度確認し、患者様に治療計画をお伝えしました。

治療は、インビザライン・コンプリヘンシブというプランで行います。
インビザライン・コンプリヘンシブは、使用するアライナーの枚数に制限がないプランです。歯のガタつきが強い場合などの幅広い症例にも対応が可能で、治療期間が長期になっても安心して治療を継続することができます。

歯を効率よく動かすため、歯の表面17ヶ所に小さな突起物「アタッチメント」を装着し、歯と歯の間を少し削りスペースを作る「IPR」を16ヶ所に施しました。
また、アライナーは全部で33枚使用し、10日ごとに交換していただいています。

治療は順調に進みましたが、最終段階で一部の歯が予定通り動いていないことが確認されたため、患者様と相談のうえ、追加治療を行うことになりました。

再度口腔内をスキャンしてクリンチェックで新たな治療計画を確認し、追加のアライナーを11枚作製して患者様にお渡ししています。

すべてのアライナーの使用が終わって歯並びが整ったあと、仮歯を最終的な被せ物に置き換えます。
最後に、歯並びが後戻りするのを防ぐリテーナーを装着していただき、治療を終了しました。
治療期間 約2年
おおよその費用 約1,000,000円
治療のリスク ・決められたスケジュールを守らない場合、十分な効果が得られない可能性があります
・マウスピースに対応していない症例の場合、治療が難しい可能性があります
・正しいブラッシングやメンテナンスを行わない場合、虫歯や歯周病のリスクが高まります
・まれに根管治療後も再治療、外科手術、抜歯などの処置が必要となる場合があります
・治療中まれに器具の破折、被せ物や詰め物など修復物の損傷、歯の破折が起こる場合があります
・一部の治療を除き、自費診療(保険適用外)です