40代女性 前歯の変色を「ジルコニアセラミッククラウン」できれいに改善した症例Case

2024.07.09

治療前

治療後

年齢・性別 40代女性
相談内容 「以前、上の前歯が虫歯になって神経を取る処置をしたが、しばらくしたら歯の色が悪くなってきた」とご相談いただきました。
カウンセリング・診断結果 拝見したところ、右上前歯は以前の治療によって神経が除去されている「失活歯」で、周囲の歯よりも黒ずんでいて暗い印象でした。
神経の治療の際、歯の内部にある柔らかい組織「象牙質」に栄養を送る「象牙細管」に血液の成分などが入り込んでしまうと、失活歯が変色するケースが多く見られます。

また、歯科用プラスチック「コンポジットレジン」で治療されている部分も経年劣化によって変色しており、虫歯も認められます。

以上のことから、変色の改善と虫歯の治療が必要だと診断しました。
行ったご提案・治療内容 失活歯の変色した部分は、歯を削らずに根管内部へ直接ホワイトニング剤を入れる「ウォーキングブリーチ」で漂白することを考えましたが、患者様の場合は虫歯の治療でコンポジットレジンと歯を削る必要がありました。残りの歯が少ない状態でウォーキングブリーチの処置を行うと、歯の強度が下がって折れたり割れたりするリスクが高まります。

そこで患者様と相談し、歯を補強してから被せ物を装着する方法として、しなやかで耐久性のある「ファイバーポストコア」で土台を作製してから、自然な白さと透明感を再現できる「ジルコニアセラミッククラウン」を被せる治療方法を提案し、了承いただきました。

まず、右上前歯のコンポジットレジンと虫歯を丁寧に除去し、ファイバーポストコアで歯の土台を作製します。
同時に仮歯も作製して患者様に装着していただき、治療中に審美的な問題が出ないよう配慮しました。

1週間後、歯ぐきの炎症がないことを確認してからシリコーンの歯型剤で歯型をとり、さらに2週間後、ジルコニアセラミッククラウンを装着して治療を終了しています。

また、今回治療した歯以外にも劣化している被せ物や詰め物が見られたため、今後はそれらを改善する治療を進めることになりました。
治療期間 1ヶ月半
おおよその費用 160,000円
治療のリスク ・治療中に痛みを伴う場合があります
・治療後に正しい歯磨きやメンテナンスを怠ると、虫歯が再発する場合があります
・セラミッククラウンの装着に際し、天然歯を削る必要があります
・硬い素材の場合、他の天然歯を傷つけることがあります
・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります
・一部の治療を除き、自費診療(保険適用外治療)です
クリニックより 患者様は歯ぎしりと食いしばりの癖があるため、就寝時に睡眠時専用のマウスピース「ナイトガード」の装着をおすすめしました。また、審美的な状況を含めてお口の健康状態を継続するために、定期的なメンテナンスとして3~4ヶ月ごとの通院も提案しています。
さらにご自宅でのセルフケアとして、歯ブラシと専用の歯磨剤についても、患者様のお口に合ったものを歯科衛生士より提案しました。