70代女性 欠損している部分にインプラントを埋め込みしっかり噛めるようにした症例Case

2025.04.30

治療前

治療後

年齢・性別 70代女性
相談内容 「他院で左上奥歯を抜いて入れ歯を作製したが、きちんと噛めない。また、入れ歯の出し入れが煩わしい」とご相談いただきました。
カウンセリング・診断結果 拝見したところ、左上の奥歯4本が欠損しており部分入れ歯で補っていました。
しかし部分入れ歯はピッタリと合っておらず、奥歯でしっかり噛むことが難しい状態です。

また左下の一番奥の歯は欠損、手前の歯2本には銀色の被せ物(メタルクラウン)が装着されていました。
しかし経年劣化により適合が悪くなり、被せ物と歯ぐきの境目に隙間ができているため、このまま放置すると隙間に汚れが溜まって、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

以上のことから、左上および左下奥歯の機能を回復するための治療が必要と診断しました。
行ったご提案・治療内容 左上奥歯のように歯が複数本欠損している場合は、部分入れ歯か人工歯根を埋め込むインプラント治療を選択することができます。
部分入れ歯とインプラントのメリット・デメリットは以下の通りです。

部分入れ歯
メリット:保険診療内であれば、比較的費用を抑えた治療が可能
デメリット:装着時に違和感を覚えやすく、取り外しの煩わしさを感じることがある

インプラント
メリット:取り外しの必要がなく、自分の歯のような感覚でしっかりと噛める
デメリット:自由診療のため費用がかかる

患者様は入れ歯に対して強い不満をお持ちであったため、インプラントによる治療を希望されました。
ただし、顎の骨が痩せたり減ったりしているとインプラントが施せない可能性があります。
そこでレントゲン撮影とCT撮影を行い顎の骨の状態を確認した結果、特に問題が見られなかったため治療が可能と判断しました。

また、インプラントのリスクや起こりうる術後のトラブルについて丁寧に説明し、同意いただきました。

まず下の歯との噛み合わせの関係から、左上奥歯に2本のストローマン社製BLTインプラントを埋入しました。
この際、インプラントの埋入角度を正確にするためのマウスピース(サージカルガイド)を事前に作製し、手術時に使用しています。

埋入から2ヶ月後、インプラントと骨がしっかりと結合していることを確認してから、トリオス4という歯型を採取する機器を用いて、最終的な被せ物の型取り(光学印象)を行いました。

最終的な被せ物の種類にはインプラント2本を土台として繋げて被せるブリッジ、素材にはジルコニアクラウンを選択しています。
ジルコニアクラウンは、セラミックの中でも最も強度のある被せ物です。

また同時に左下に装着されているメタルクラウンを除去し、歯にぴったりとフィットする白い被せ物を作製し、装着しました。

治療後はインプラント周囲炎と呼ばれるインプラント周囲に腫れや炎症が起こるリスクがあるため、現在は3ヶ月に1度のペースで通院いただきインプラント周囲炎の予防と口腔内のメンテナンスを続けています。
治療期間 約3ヶ月
おおよその費用 約1,000,000円
治療のリスク ・外科手術のため、術後に痛みや腫れ、違和感を伴います
・糖尿病、肝硬変、心臓病などの持病をお持ちの場合、インプラント治療ができない可能性があります
・高血圧、貧血・不整脈などの持病をお持ちの場合、インプラント治療後に治癒不全を招く可能性があります
・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります
・硬い素材の場合、他の天然歯を傷つけることがあります
・自費診療(保険適用外治療)です