30代男性 前歯のすきっ歯を取り外し式のマウスピース型矯正装置インビザラインGOで改善した症例Case
2024.11.14
治療前
治療後
年齢・性別 | 30代男性 |
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相談内容 | 「小さい頃から前歯のすきっ歯が気になっていた。最近マウスピース矯正の存在を知ったので、矯正が可能かどうか診てほしい」とご相談いただきました。 |
カウンセリング・診断結果 | 拝見したところ、上顎は前歯の真ん中に隙間があいている「正中離開(せいちゅうりかい)」と、右上の前歯(中切歯)は歯がねじれるように生えている「捻転(ねんてん)」が認められ、下顎の前歯は正常な位置からずれたりねじれたりしてガタガタに生えている「叢生(そうせい)」の状態でした。 また、左右それぞれの下の奥歯(第1大臼歯)には、歯が舌側に傾斜している「舌側傾斜」も見られます。 虫歯はありませんでしたが全体的に磨き残しが多く、細菌の塊である「プラーク」が固まった「歯石」が付着していました。 歯並びの悪さが原因で歯が磨きにくいため、結果としてプラークを溜まりにくくする「プラークコントロール」が不十分になり、歯茎に炎症が起こる「歯周病」や虫歯の発症リスクが高い状態です。 以上のことから、審美性の改善に加え、ブラッシングがしやすい歯並びを目指すためにも、矯正治療が必要と診断しました。 |
行ったご提案・治療内容 | 患者様は、取り外し式のマウスピース型矯正装置による治療を希望されています。 そのため、まずは口腔内スキャナーで歯の形を3Dデータ化する「光学印象」を用いて歯型を取得しました。 取得したデータをもとに矯正治療での歯の動きをシミュレーションし、患者様と一緒に確認したところ、マウスピース型矯正装置で前歯の捻転や正中離開、叢生の改善が見込めることが判明しました。 当院では、マウスピース型矯正装置「インビザライン」のうち、口腔内全体の矯正が可能なタイプと、上下20本の前歯(右第2小臼歯~左第2小臼歯)を動かす部分矯正タイプの2種類を取り扱っています。 患者様は「とくに気になっている前歯のみを矯正したい」との理由から、前歯の部分矯正が可能な「インビザラインGO」を選択されました。 ただ、インビザラインGOは前歯の移動に特化した矯正方法であることから、奥歯の舌側傾斜の治療は対象外であることを丁寧にお伝えし、了承いただいています。 まずはシミュレーションデータをもとに、患者様専用のマウスピースを作製しました。 マウスピースは取り外しが可能なため歯磨きがしやすく、固定式のワイヤー矯正と比較して虫歯や歯周病のリスクを軽減できるのが大きなメリットです。 ただし、効果的に歯を動かすためには、マウスピースを1日20時間以上装着していただく必要があることをお伝えしました。 また、プラークや歯石が残ったまま矯正を開始すると虫歯のリスクが高まるため、矯正治療を開始する前に口腔内のクリーニングを実施してお口の中をしっかりと清掃し、歯磨き指導も行っています。 治療中は10日に1回の頻度で新しいマウスピースに交換することで徐々に歯を動かし、定期的にクリーニングを行って虫歯リスクを最小限に抑えられるよう努めています。 インビザラインGOでは最大で20枚のマウスピースを使用できますが、装着時間をしっかり守っていただけたため、16枚のマウスピースで治療を終了しました。 最後に、歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」を防ぐため、保定装置「リテイナー」を1日12時間装着するようお願いしました。 リテイナー使用中も虫歯のリスクが高まるため、現在は3ヶ月に一度通院いただき、定期的なメンテナンスを続けています。 |
治療期間 | 5ヶ月 |
おおよその費用 | 約500,000円 |
治療のリスク | ・決められたスケジュールを守らない場合、十分な効果が得られない可能性があります ・マウスピースに対応していない症例の場合、治療が難しい可能性があります ・歯の移動に伴って、痛みや違和感を感じる場合があります ・正しいブラッシングやメンテナンスを行わない場合、虫歯や歯周病のリスクが高まります |